スミシー医ハーサカのブログ

医学部に入学してから卒業するまでのたわいもない話

#03 現役医学生が教える『あなたの未来を変える「医学部の選び方 」』

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こんにちは、スミシー医ハーサカです。

肌寒く感じることが増え、2022年ももうすぐ終わるのかぁ…と

思い始めた今日この頃ですが、みなさんはお元気でしょうか?

2022年が終わりを迎えるということは、

日本の受験生にとっては入試がやってくるということです。

ということで、今回は私なりの「医学部の選び方」について

語っていきたいと思います。

 

テーマは大きく分けて2点あります。

1点目は「過程が大事」

2点目は「一人暮らしのススメ」です。

それでは参ります。

 

1点目:「過程が大事」

GoogleでもYahoo!でも良いのですが、「医学部 選び方」と検索すると、

検索上位に挙がってくるもがあります。

それは、偏差値や入試の難易度です。

確かに、医師になるためには医学部に進学しなければなりませんから、

どの医学部であれば試験に合格できるかどうかは大事な判断材料ではあります。

※ちなみに、大学入試の偏差値は医学部の良し悪しとは無関係です。

例えば、医師国家試験の合格率や学内での成績順位と

高校までの学力偏差値にはあまり相関がありません。

しかし、本当に大切なのは行きたい大学に行くことです。

当然、無謀な挑戦(学力や経済などの面で)は控えるべきですが、

多少の無理くらい押し通すくらいの覚悟と努力がなければ、

医学部合格はないでしょうし、医学部に入れたとしてもうまくいかないと思います。

入学はあくまで医師になるための”手段”であって、”目的”であってはいけません。

そして、医学部で何を学び、どんな医師を目指すのか。

みなさんそれぞれ何かしらの夢や目標を持っているはずです。

それを実現させるにあたり、重要視すべきは”目的”でも”手段”でもなく、”過程”です。

将来のあなたがどうなっているのかは、今後のあなたの人生の歩み方で決まります。

あなたがどんな医師になっているのかは、

あなたがどんな医学部生活を送るかにかかっていると言っても過言ではありません。

あなたの歩めるたった一度きりの医学部人生は、

あなたの選ぶ医学部でほぼ決まります。

そんな大事な決断を偏差値や入試の難易度といったものだけで決めてほしくはない。

医学部進学を考えているのなら、理想の医師像や医学部に何を求めるのかを

はっきりさせ、どの医学部であればそれが得られるのかを今一度考え直してほしい。

その際にはオープンキャンパスや知り合いの医学生や医師を利用することを

お勧めします。

付け加えて、もし、希望する大学の医学部に入学できず、

他の医学部に入学することとなっても過度に落ち込むことはありません。

過程さえしっかりしていれば後から軌道修正することは十分可能です

とはいえ、最も行きたい医学部に入学することが、

ベストな過程となる可能性が一番高いわけですから、

受験生のみなさんは第一志望校目指して、気合いを入れて頑張ってください!

応援しています!

 

2点目:「一人暮らしのススメ」

私の場合、全国的に有名な医学部が地元にあったので、

地元の大学の医学部を第一希望としていました

(今思えば、どの医学部が私にとって最適なのか、

ろくに考えていなかったように思います…)。

しかし、目標叶わず、別の大学の医学部に進学することになりました。

実家からは到底通える距離ではなかったので

医学部キャンパスの近くで一人暮らしを始めました。

医学部での最初の数ヶ月は、なんでこんなところに来てしまったのだろう…

とばかり思っていましたが、

今では地元の医学部に進学しなくてよかったと思っています。

その理由はいくつかありますが、「実家を離れて一人暮らしをした」

ということはとても大きかったと思います。

そこで、一人暮らしで得られたものを2つ紹介したいと思います。

 

1. 様々なことができるようになる

親元を離れて生活しなければならないわけですから、

それまで親に頼っていたことをすべて自分でやらなければなりません。

掃除、ゴミ捨て、洗濯、買い出し、炊事、皿洗い…

人並みの生活を送るためにやらなければならないことは枚挙にいとまがありません。

父も料理ができることも影響してか、私も小学生の頃から料理を始め、

両親が忙しい時には代わって食事の準備をしていたこともありました。

料理などの家事をかじったことのある私でさえ、

それらを両親のようにこなすことは困難であり、

両親のレベルに到達するのは不可能なのでは?とさえ思うことがあります。

とはいえ、一人暮らしを始める前と今ではまったく比べ物にならないほどに

自立度が向上したと思います。

これは偏見かもしれませんが、私生活がきちっとしている人は

何をやらせても人並以上の結果を出しているように思います。

一人暮らしはこういった追加効果も期待できるのでおすすめです。

 

2. 「当たり前」と「当たり前でないこと」がわかるようになる

直前の話と被る点もあるのですが、一人暮らしを始めると、

実家で暮らしていた時に感じていた「当たり前」が

「当たり前でないこと」に気づくことができます。

お腹を空かせて帰れば食事がすでに用意されているなんてのは

「当たり前ではないこと」です。

流石にこの程度のことなら一人暮らしをせずとも理解できると思いますが、

実際に一人で暮らし始めると「当たり前」だと誤解していたことが

思った以上にあるということに気づきます。

そして、それと同時に「当たり前でないこと」と思っていたことが

実は「当たり前」だったことを思い知らされる瞬間も何度も訪れるようになります。

では『「当たり前」と「当たり前でないこと」がわかるようになる』と

どんな良いことがあるのでしょうか?

私なりの解答は『「常識」と「感謝」を得ることができる』です。

「常識」を広辞苑で調べると、「(common sense)普通、一般人が持ち、

また、持っているべき知識。専門的知識でない一般的知識とともに、

理解力・判断力・思慮分別などを含む。」とありました。

そうなのです、一人になれば、身の回りのことすべてを自分の力だけで

対処しなければならないのですが、その過程で理解力・判断力・深慮分別といった、

生きていく上で必要なもの、これすなわち「常識」を獲得していくのです。

そして、その「常識」を以ってして、

これまで「当たり前でないこと」を当たり前のように思わせてくれていた人々に

「感謝」することができるようになるのです。

少々私の愚痴が含まれてしまいますが、

臨床実習では色々な医療従事者にお会いすることになります。

その中には、患者さんや同業者から快く思われていない方もいますが、

そういう方には「常識」と「感謝」が足りていないなあとついつい感じてしまいます。

良き医師になるためにも一人暮らしは経験した方が良いと私は思います。

 

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以上、医学部の選び方について2点お話しさせていただきました。

本当のところは、もっとたくさん詳しく語りたいのですが、

あまり長くても間延びしてしまいそうなので、この辺りで止めておきます。

もし、分かりにくい点やもっと知りたい点があったり、

私に質問したいこと相談したいことがあったりしましたら、

当ブログのコメント欄やTwitterから

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気軽にメッセージを送っていただければと思います。

それでは失礼いたします。