スミシー医ハーサカのブログ

医学部に入学してから卒業するまでのたわいもない話

#16 医学部に向いてる人・向いていない人

Aptitude

こんにちは、スミシー医ハーサカです。

 

直近の数記事では時事ネタを連投しており、

医学部に関する記事をしばらく投稿しておりませんでした。

FIFAワールドカップをはじめとした興味深いことが続いたため、

それについて書きたいと思わずにはいられなかったためです。

そこで今回は原点回帰、医学部ネタを書きたいと思います!

 

 

今回のテーマ

私はスミシー・医・ハーサカというアカウントで

Twitterにてブログを投稿するなどの活動を細々とおこなっています。

いいねやフォローなどしていただけますと大変励みになります!

twitter.com

 

さて、Twitter上では、現役医学生や医学部を目指している学生など、

多くの人が医学部にまつわる話で毎日盛り上がっており、

私も彼らのツイートに楽しませてもらっています。

 

その中で、

「医学部に行きたい!」「医学部に来れてよかった!」

というポジティブなツイートを見かけることもあれば、

「医学部受験しんどい…」「どうして医学部に来ちゃったんだろう?」

というネガティブなものを見かけることもあります。

 

そこで、どんな人が医学部に向いていて、向いていないのか、

私なりの考えをお伝えしたいと思い、本記事を書くことにいたしました。

完全なる私見であることはご容赦いただき、

もし何かございましたら気軽にコメント等していただければと思います。

 

医学部に向いていない人

まずは「医学部に向いていない人」から話していこうと思います。

 

何となく医師になりたい人

日本で医師になろうと思ったら

医学部を卒業して医師国家試験の受験資格を得る必要があります。

よって、医師になりたいという気持ちが少しでもあるのであれば、

誰しも一度は医学部への進学を検討することになると思います。

 

ここで、医学部へ行こうか迷っている方に

言っておきたいこと、言っておかなければならないことがあります。

 

それは、生半可な覚悟で医学部には来てはいけないということです。

 

医学部は最も過酷な受験となる学部とされることが多いですが、

医学生として6年間やっていくことの方がハードだという意見も多いです。

 

その理由は数ありますが、

いかなる原因で苦しむことになっても、

最後に自分の支えとなるのが医師になりたいという思いです。

この意志が弱ければ入学した先に待ち受ける試練を乗り越えられず、

道半ばで医師になることを諦めざるを得なくなってしまいがちです。

 

また、ただ単に医師の道を断念することになるのはまだマシな方です。

場合が場合ならば、得るもの少なく失うものがとても大きくなります。

お金はもちろん、若さや何かを成し遂げるための時間、

心と体の健康、自分自身に対する自信などなど…

このような目に遭うのならば

いっそ初めから医師を目指さない方が良かったと

後悔している人を何人も見てきました。

 

「医師ってなんかカッコいいじゃん?」

「収入も悪くないし、食いっぱぐれなさそう。」

「医学部に行ける成績あるし医学部進学目指そう!」

 

(言葉は悪いですが)

こんな甘ったれた気持ちで医学部を目指すべきではありません。

この時の安易な選択を悔やむことになる前に一度自問してください。

 

「あなたのやりたいことは本当に医師でなければできないことですか?」

 

大事なことなのでもう一度言います、

生半可な覚悟で医学部には来てはいけない

 

 

真面目すぎる人

先ほどいった通り、医学部での生活は予想以上にハードです。

医学部で生き残るためには高いストレスコーピング力が求められます

 

ストレスを過度に溜めすぎないために必要なスキルの一つに

頑張りすぎないことを私は挙げたいと思います。

 

努力し続けられることは優れた才能であり誇るべきことです。

しかし、時には頑張らないこともまた大切なことなのです

 

学生の本分は勉強ですから勉学に努めることは決して悪いことではありません。

ですが、例えば試験勉強では、

どんなに勉強を頑張ったところで得られる結果は満点合格止まりでしょう。

なかなか成し遂げることのできない偉業ではあるのでしょうが

扱いとしてはただの合格に過ぎず得られるものは単位くらいのものです。

勉強が好きで好きでしょうがいないのであればまあ良いかもしれませんが、

試験に受かるために一生懸命勉強していたのであれば、

大して勉強もしていないのにあっさり合格した同期のことを

快く思えるでしょうか?

私はできた人間ではないので少々根にもってしまうかもしれません。

 

実習でも似たようなことが言えます。

可能な限り毎日参加することとされているはずの実習を

平気でサボるやつが出てきます。

自分だって他にやりたいことやらないといけないことはあるけれど

実習には出ないといけないから我慢しているのに、

目の前でそんなことをされてはたまったもんではありません。

じゃあ一緒にサボればいいじゃないかと思われるかもしれませんが、

自分がサボった時に限って不幸な目に遭うような気がして

結局サボることはできないのです。

それなのに普段からサボるやつはなぜかうまいことサボるんです。

 

「自分は頑張っているのにどうしてみんなは…」という

初めはささいな感情も、6年という長い年月の間に蓄積されることで

看過することのできないストレスへと変貌してくのです。

そうして身も心もすり減っていくのです。

 

だから、何事にも全力で取り組むのではなく、

頑張るべきことと手を抜いてもいいことの線引きをして

メリハリをつけられないと元気にやっていけないと思います。

これができない不器用さんは医学部どころか現代社会でも苦労しそうです。

 

※ちなみに手を抜くこととサボることは別物ですからね

 

 

閉鎖的で狭い人間関係に耐えられない人

医師になってからもそうですが、医学部の世界はとても閉じられています。

 

一部を除いて、医学部は他の学部とは離れた場所にキャンパスがあります。

そのため、外界と交流する機会が物理的にも少なくなっています。

 

1学年約120人、全学年合わせても約700人ほどの小さなコミュニティに

6年間通わなければならないのです。

関わりたくない先輩・同期・後輩に嫌でも顔を合わせなければならないこと、

ニュースや噂は瞬く間に広がってしまうこと、などなど…

ただでさえ人付き合いの苦手な人にとっては大変生きづらい環境です。

 

あらゆる関係を絶って一人たくましく生きていば良いじゃないか!

そう思われる方もひょっとしたらいらっしゃるかもしれません。

しかしながら、ここがまた医学部の残酷なところでして、

情報網の確保の重要性みんながやってることこそ王道というのがあります。

 

医学部における試験や実習、マッチング活動で失敗しないためには

周囲から得られる情報が必要不可欠なのです。

また、国家試験をはじめとして、医学部では選ばれた人のみが…ということは少なく、

必要最低限のことさえやっていれば医師免許獲得まで大半の人がこじつけられます。

つまり、何をいつどの様にすれば良いのかわからなくても、

みんながやっていることをみんなと同じ時、同じ様にやっていればいいのです。

 

よほど独り身スキルが高くない限り、医学部サバイバルでは生き残れません。

 

 

医学部に向いている人

では医学部に向いているのはどんな人なのかと言いますと、

「『絶対に医師になりたいんだ!』という強い意志を持ち、

メリハリの付け方が上手な、対人スキルの高い人」

ということになります。

 

要するに、医学生としての生活を送る上で付き纏うあらゆるストレスに

うまく対処することのできる人が医学部に向いているという訳です。

 

「医学部の勉強は知識量が膨大で、

勉強や暗記の量に耐えられない人は医学部に向いていない。」

などとおっしゃられている方もいます。

ですが別に医学部でなくても、

何かを大きなことを成し遂げたいのであれば、

医学部と同等あるいはそれ以上の熱量と努力が必要になると私は考えます。

はっきり言いますが、それだけの熱量もなく努力もできないような人間は

どこで何をやってもうまくいかないでしょう。

 

ですから、医学部での勉強云々よりも、

医学部という特殊な環境の中でうまくやっていけるだけの素質、

そして医師になるという断固たる決意が必要なんだ!!

週刊少年ジャンプ 井上雄彦 作『SLAM DUNK』」の安西先生のセリフより

 

 

医学部に向いている人≠医師に向いている人

医学部への適性について語ってきましたが、ここで残念なお知らせです。

 

医学部に向いているからといって医師に向いているとは限らないのです。

 

その一つの理由として、

「医師は職業であり負うべき責任の大きさが桁違い」

ということが挙げられるかと思います。

 

他人の命を預かる仕事なのですからそれに相応しいだけの

知識や技術、実績そして人柄を備えておかなければなりません。

ですが、ここからの道はやる気に満ちているだけでは先には進めません。

地頭の良さだったり手先の器用さだったり

身体のタフさであったり誰からも好かれるような性格だったり、

選んだ道ごとに求められることが異なってくるはずです。

 

いい加減な医師で良いのであれば医師免許を手にした瞬間にそれは叶うのですが、

自分の中にある理想の医師像に近づこうとして研鑽を積んでいるうちに、

理想と現実とのギャップに耐えられなくなってしまう人も少なくないと聞きます。

せっかく医師になれたのにと思ってしまうかもしれませんが、

医師としての自分のあるべき姿を目指すというのも

やはりそれだけの厳しさというのがあるかもしれないですね。

 

 

最後に

この記事だけを見ると医師を目指すのをやめたくなってしまうかもしれません。

しかし、医師とはなくてはならない職業です。

それに私にとっては絶対に諦めることのできない目標でもあります。

 

人生を賭してまで叶えたい夢を抱くことができた自分は幸せ者

私はそう感じています。 

 

このブログをご覧のみなさんにも、大切な何かが見つかることを心より祈っています。