スミシー医ハーサカのブログ

医学部に入学してから卒業するまでのたわいもない話

#17 合格率90%⁉︎ 「医師国家試験ってどんな試験?」

National Examination for Doctors

 

こんにちは、スミシー医ハーサカです。

 

先日、今年度の医師国家試験の会場が発表されました。

医師や歯科医師、看護師、理学療法士などの医療従事者を目指す者は

年に一度行われる医政局所管国家試験を受験し合格することでその資格を得ます。

大学入試、CBT・OSCE、卒業試験など数多の試験を乗り越えてきた医学生

待ち受ける最後の関門となるのがこの医師国家試験(以後、国試)というわけです。

ラスボス的立ち位置にある国試ですが、その難易度は如何なるものか?

今回は「国試」をテーマとしてお話をさせていただきます。

 

 

国試の概要 

国試についての簡単なまとめを先に示しておきます。

  • 日程:2月上旬〜中旬の2日間(土日)
  • 会場:12の都道府県
  • 問題形式:各論、必修、総論の3つ
  • 問題数:1日につき各論75問+必修50問+総論75問 × 2日分=400問
  • 試験時間:各論165分、必修95分、総論150分 ➡︎ 2日で13時間40分
  • 合格基準①:必修のみで80%以上の得点 <絶対基準>
  • 合格基準②:必修以外で例年70%前後の得点 <相対基準>
  • 合格基準③:禁忌肢3問以下(年度による) <絶対基準>
  • 合格するには合格基準①、②、③のすべてを満たす必要がある

では各項目について説明していきます。

 

日程

国試は例年2月初旬〜中旬に2日間(土日)の日程で行われます。

今年度の国試(第117回)は2月4日と5日に実施予定です。

第114回から今年度の第117回までは2日制となっていますが、

第113回までは3日制でした(出題数も100問多い500問でした)。

 

国試に再試・追試はありません。

試験当日に37.5度以上の発熱が認められた場合、

他の受験生への感染の恐れからその受験者は受験が認められません。

国試を突破するには勉強面だけでなく健康面でも気が抜けないのです。

 

会場

国試の会場は13の都道府県(北海道、青森県宮城県、東京都、新潟県、愛知県、

石川県、大阪府広島県香川県、福岡県、熊本県、そして沖縄県)で行われます。

 

基本的には最寄りの会場で受験します。

 

問題形式

国試の問題を分類する方法はいくつかありますが、

ここでは各論、必修、総論という分け方についてご紹介します。

 

国試は6セクション(A~F)に分かれており、A~Cは1日目、D~Fは2日目に実施されます。

そして、AとDは各論、BとEは必修、CとFは総論という内容の問題で構成されています。

 

各論とは疾患ごとの知識を問うものです。

例:第116回 A1 の問題

睡眠時無呼吸症候群による高血圧について、正しくないのはどれか。

a 夜間高血圧となることが多い。

b 肥満患者では減量を推奨する。

c α 遮断薬が第一選択薬である。

d 家庭血圧では早朝に高血圧となることが多い。

e 持続的気道陽圧法(CPAP)で降圧が期待される。

このように、国試の問題は基本的に5択問題であり、マークシートに解答します。

例題は睡眠時無呼吸症候群からの出題でしたが、

テーマとなる疾患は問題ごとに変わります(*同じ疾患から複数出題されることもあります)。

どの疾患の何についてどのように問われるのかは事前には知る由もありません。

疾患の数はごまんとあるのですから、国試勉強がいかに大変であるかが窺い知れると思います。

 

ちなみに答えは「C」です。

少し難しい内容になりますが…

睡眠時無呼吸症候群は文字通り、寝ている時に無呼吸になってしまう病気です。

原因はいくつかあり、その中で最も多いタイプが閉塞型です。

閉塞型では、アデノイドや下顎の発育不全、肥満などによって口・鼻から肺までの空気が通る道(気道)が

狭められることで、体は呼吸をしているんだけれども体内外の空気の交換はなされないために、

体内(血中)の酸素が不足してしまいます。これに伴い交感神経の働きが活性化されてしまい、

やがてそれが睡眠中に限らなくなって持続的なものとなり、高血圧症を合併してしまいます。

そのため、いびきや中途覚醒、日中の過度な眠気といった直接睡眠に関わることが問題になるだけではなく、

高血圧により心臓や血管の病気を合併し、それが原因で命を落としてしまうことも恐るべき問題です。

減量するなどにより気道の閉塞を改善したり、呼吸をアシストする器具や機械を利用したりすることが治療法に挙げられます。

 

必修とは研修医となる上で必要最低限の知識を問うものです。

例:第116回 B2 の問題

異常呼吸あるいは息切れを主訴とする患者の所見と原因の組合せについて正しいのはどれか。

a Coarse crackles ー 喘 息

b 胸部打診で濁音 ー 気胸

c 頸静脈の怒張 ー 右心不全

d SpO2 95 %(room air) ー  呼吸不全

e Cheyne-Stokes呼吸 ー 上気道閉塞

国試はすべて筆記試験であり、実技試験などはありません。

しかし、医学部卒業時点で身につけているべき基本的な診察の知識や技術を

テストする試験は国試前に受験しています。

ですからその知識の確認問題が国試の必修問題として出題されることがあります。

 

例題の答えは「C」です。

Coarse crackles(コース クラックルス)とは主に肺炎で聴取されます。

喘息の時に聞こえるヒューヒューという特徴的な音はWheeze(ウィーズ)と言います。

気胸とは胸の中にある肺に穴が空いたことで肺内の空気が胸の中に流入してしまった状態のことです。

この時胸をトントンと叩くと空のペットボトルのように甲高い音が聞こえます。これを鼓音と言います。

濁音に聞こえるのは水の入ったペットボトルのように胸の中に液体が溜まってしまった場合などです。

心不全とは右と左に2つずつある心臓の部屋(心室と心房)のうち、

右側がうまく働かなくなった状態のことを言います。心臓は血液を送るポンプの働きをしています。

心臓の右側は静脈を通って全身から血液が戻ってくる場所であり、その血液を肺に送る役割も持っています。

つまり右心不全になると心臓に還れない血液が静脈で渋滞します(うっ滞と言います)。

これにより様々な変化が見られ、その一つが首の静脈がパンパンになる頸静脈怒張と呼ばれる所見です。

呼吸不全とは「室内気吸入時のPaO2が60mmHg以下となる状態のこと」と定義されています。

PaO2とは動脈血の酸素分圧のことです。物理で習う分圧と全く同じです。「a」は動脈血という意味です。

これが60mmHg以下というのは簡単にいうならば血液中の酸素が足りていないということです。

一方、SpO2とは経皮的動脈血酸素飽和度といいます。

PaO2とSpO2はどちらも酸素が十分に足りているかを知るために用いられます。

SpO2は皆さんご存知のパルスオキシメータを装着するだけで測定することができる点で、

採血しなければ得られないPaO2よりも優れています。

しかしPaO2は直接血液中の酸素を測っているため、正確な値が必要な場合にはPaO2が必要となります。

Cheyne-Stokes呼吸(チェーンストークス呼吸)とは、

徐々に呼吸が大きくなった後、徐々に小さい呼吸になっていくのを繰り返すような呼吸のことを言います。

心不全脳出血の患者さんや、死期が迫っている人などで見ることがあります。

 

総論とは疾患をまたいで横断的に問うものです。

例:第116回 C3 の問題

医療施設における感染制御チームが行わないのはどれか。

a 職員の感染防止

b 定期的な院内の巡回

c 輸入感染症患者の検疫

d 適正な微生物検査の推進

e 院内感染発生に関するサーベイランス

医療法により、病床を有する医療機関には院内感染を防ぐための委員会を設置することが義務付けられています。

この委員会を一般的に感染制御委員会と言い、その下に結成されるチームを感染制御チームと呼び、院内感染対策の実施などを行います。

病院にはご高齢の患者や免疫を抑える治療を受けている患者など、

健康な人よりも感染症に対して脆弱な人が大勢入院しているわけですから、

一度感染症が広まってしまうと取り返しのつかない大惨事になりかねません。

 

この例題の正解は「C」です。

医療機関に設けられた感染制御チームが空港や海港などで行われる検疫に関与することはまずあり得ないですよね…

国試にはこのように医療に詳しくなくても解ける問題が時々出題されます。

 

 

各論・必修・総論という分け方については以上になりますが、

これらはその問題構造によって一般問題と臨床問題に二分されます。

 

一般問題とは特定のテーマがあり、それに関する問題が出題されます。

これまでにあげた3つの例題はすべてこの一般問題に該当します。

 

臨床問題とはある患者さんについての症状や既往歴、検査所見などの情報が提示され、

それにちなんだ問題が出題されます。

例:第116回 A19 の問題

62歳の女性。息切れと全身倦怠感を主訴に来院した。7日前に発作性心房細動に対してカテーテルアブレーションが施行されており、3日前に退院していた。退院翌日に息切れと全身倦怠感が出現し、症状が徐々に増悪するため受診した。意識は清明。体温 36.2 ℃。脈拍 112/分、整。血圧 88/72 mmHg。血圧は吸気時に収縮期血圧が18 mmHg 低下する。呼吸数 18/分。SpO2 95 %room air。呼吸音に異常を認めない。心音は微弱だが雑音は聴取しない。頸静脈は怒張している。血液所見:赤血球 462 万、Hb 13.2 g/dL、Ht 39 %、白血球 9,700、血小板 39 万。血液生化学所見:尿素窒素 44 mg/dL、クレアチニン 1.7 mg/dL、Na 141 mEq/L、K4.2 mEq/L、Cl 110 mEq/L。 最も考えられる病態はどれか。

a 後腹膜血腫

心室中隔孔

c 肺血栓塞栓症

心タンポナーデ

e 完全房室ブロック

この問題は文章のみで構成されていますが、

レントゲンやCTの画像を参考にして解答するものや、

与えられたデータをもとに計算することを求めるものもあります。

 

なお、この例題の答えは「D」でした。

心タンポナーデとは心臓の周りにあるちょっとした空間(心膜腔あるいは心嚢腔)に

液体が貯留してしまうことで心臓の拡張が妨げられてしまうことで起こる病態のことです。

心臓は血液のポンプですから血液を取り込むことと送り出すことの両立ができてはじめてその機能を果たすことができます。

しかし、心タンポナーデでは心臓の周りに溜まっている液体の存在によって

うまく心臓が膨らめないので血液の取り込みが不十分となってしまいます。

ポンプ内に血液がないのであれば全身に血液を送ることはできませんよね?

そうなってしまうとショック状態に陥り最悪の場合命を落としてしまいます。

心タンポナーデの患者さんでは、血圧の低下、頻脈、奇脈、心音減弱、頸静脈怒張といった所見が見られます。

奇脈とは問題文にもあるように「吸気時に呼気時よりも収縮期血圧が10mmHg以上低下するもの」のことであり、

国試的には心タンポナーデの枕詞のようなものです。

国試のテクニックとして「疾患と一対一で対応するキーワードを覚えること」というのがあり、

これがまさにその一例です。

奇脈に気づけたら、そのほかの所見が心タンポナーデに矛盾しないかを確かめ、

矛盾しないのであれば心タンポナーデと断定して解答に移ります。

本症例(=問題文に登場した患者さんの場合)では、カテーテルアブレーションという

心臓の内側から行う治療の際に不幸にも心臓を傷つけてしまい、

そこから心膜腔に液体(血液など)が溜まってしまった結果、

心タンポナーデを発症してしまったという経緯でした。

カテーテル治療の発達によりこれまでできなかった多くのことが可能になり、

治療の幅が広がりより多くの患者さんを救うことができるようになっています。

しかし、どんなに優れた治療でも副作用や合併症などのリスク・デメリットは必ずあるということを忘れてはいけない、

ということを受験生に伝えたかったのではないかと勝手に感じております。

 

問題数

問題数は概要で示した通り、

1日目でA(各論)75問+B(必修)50問+C(総論)75問 =200問あり、

2日目でD(各論)75問+E(必修)50問+F(総論)75問 =200問あり、

2日間で合わせて400問出題されます。

 

試験時間

試験時間はセクションごとに異なり、各論(A、D)は165分、

必修(B、E)は95分、総論(C、F)は150分であり、

2日間で合計13時間40分となっています。

タイムテーブルとしては休憩を挟みながら朝9時半〜夕方6時半といったところです。

 

合格基準①

3つある合格基準のうちの1つが「必修問題で80%以上の得点」です。

必修問題とは研修医になるための必要最低限の知識を問うものであるため、

採点対象となった必修問題の満点の80%以上の得点を取ることが

すべての受験生に課せられます。

 

必修問題は全部で100問だから80点以上で良いのではと思われるかもしれません。

しかし、必修問題には配点が1点のものと3点のものとがあります。

加えて、試験後の問題の誤りの発覚や異議申し立てなどにより、

公式の答えが変更されること、

問題自体が取り下げられて採点対象から外されること、

正解者には得点として認め不正解者には採点対象から除かれることなどがあります。

 

これらの処置が施される原因としては

出題者の出題の意図が分かりにくいために正答にたどり着けないこと、

考え方によっては複数の解答パターンがありどれも間違っていないこと、

必修問題のレベルよりも難しい内容であること、などがあります。

 

こうしたことから必修問題の満点が決定されるのは試験が終了した後のこととなるので

何点以上で合格!とは事前には定められないのです。

 

合格基準②

2つ目の合格基準が「必修以外で例年70%前後の得点」です。

必修以外の問題、すなわち各論と総論の問題で

合わせて70%前後以上の得点を取らなければなりません。

 

必修と異なる点は、この合格基準が”相対基準”であることにあります。

実は国試の合格者数は厚生労働省によって受験者数の約90%に

コントロールされています。

合格率を90%にしようとした時、

各論&総論のボーダーラインは例年70%前後となるということでしょう。

 

つまり、各論と総論の問題では受験者の70%以上が正解するような

比較的簡単な問題をいかに落とさないかが重要なのです。

大学入試では他の人が解けない問題で得点する力が求められましたが、

国試では多くの人が解ける問題で確実に得点する力が必要とされます。

 

合格基準③

そして最後となる3つ目の合格基準が「禁忌肢3問以下(年度による)」です。

国試は各設問に通常5つの選択肢が与えられます。

問題によっては絶対に選んではいけない選択肢が存在します。これが「禁忌肢」です。

 

禁忌肢の一例を紹介します。

病気によっては投与しては絶対にいけない薬剤というのがあり、

適切な治療薬を選ぶ問題の選択肢としてこの薬剤が書かれていた場合、

これが禁忌肢に該当します。

 

禁忌肢となる理由は様々ですが、多くは患者さんの命に関わる内容となっています。

病気によって命を落としてしまうのは仕方がない面もありますが、

人為的なミスにより患者さんを死に至らしめてしまうのはあってはならないことです。

その重大性から禁忌肢を一定数以上選んでしまうとそれだけで不合格となります。

 

合格条件

国試に合格するには合格基準①、②、③のすべてを満たすことが必要です。

 

 

国試に合格するには?

国試がどんな試験であるか何となくわかったところで、

国試に合格するためには一体どうすればよいのかについて少しお話しします。

(まだ合格してないだろうお前!と思われるかもしませんが、そこは目を瞑っていただきたいです…)

 

どのくらいの勉強時間が必要?

勉強時間に関してもそうですが、受験勉強に正解はありません。全て結果論です。

そのため、ここからは私の実体験や同期から聞いた話をもとに書いています。

 

私のこの記事を書いている頃の勉強時間は平均2、3時間ほどです。

おそらく同期の中では少ない方に含まれると思います。

私はコツコツ勉強するタイプで試験直前期に詰め込むのは苦手です。

同期よりも1年以上早く国試のための勉強を始めたので、

過去問問題集はどの分野も3周はしています。

覚えた知識が抜けないための勉強を中心に今は行っているので、

直前期にしては短い勉強時間となっていますが、

トータルの勉強時間では受験生の平均をゆうに越している自信があります。

 

勉強時間の多い人では1日の食事や入浴などを除いたほとんどの時間を勉強に充てています。

卒業試験に合格した後、しばらくは卒業旅行に行くなど遊び倒し、

卒試数ヶ月前なるとそろそろヤバいなと思って勉強に全力を尽くす人によく見られるタイプの勉強時間だと思います。

 

何度も言うのでくどいかもしれませんが、国試はみんなが解ける問題を確実に解く力が必要です。

つまり、みんながやっているように勉強していれば基本的には大丈夫なのです。

だから、複数人で集まって毎日計画的に勉強する人が一般的だと思いますから、

朝の9時とか10時とかから開始して、夕方お腹が空いたらみんなでご飯に行って、

その後は流れで解散という形が多いのではないでしょうか?

 

どんな勉強をしているのか?

医学の勉強について説明するのは難しいのでここでは割愛させてください…

 

勉強の流れはこれといって特別なものはなく、

「知識を学ぶ→問題を解いて理解度・定着度を確認→復習→演習→復習→演習→…」

という反復中心の勉強になります。

 

勉強に使う主な教材は国試の過去問問題集です。

毎年新たに問題が作成されており、出題される疾患や病態などは毎回異なります。

日進月歩の医療の進歩も反映されており、今と昔では答えが変わっているものもあり、

最新の知見やトレンドにまでアンテナを張っておく必要はあります。

しかし、疾患の概念や治療法、検査法などに大きな変化は基本的にはないので、

これくらいやっておけば大丈夫!という大まかなラインが存在します。

直近5年分くらいの過去問を完璧に仕上げていればまず落ちることはありません。

何も考えずに過去問を解いていただけで合格したという人は意外に多いのです。

 

過去問問題集には問題とその周辺知識までのことしか書かれていません。

そのため、教科書的存在も必要になってきます。

学生がよく使用しているのが「病気がみえるシリーズ」「year note」です。

「病気がみえる」は通称「ガミエル」と呼ばれ、わかりやすい図説で学生から人気です。

一方、「year note」は辞書のようなもので、「ガミエル」よりも詳しく書かれていることが多く、

私はyear noteを愛用しています。

著作権とかにうるさい世の中ですので、気になる方はご自身で調べてみてください。

 

そして忘れてはいけないのが「映像講義」です。

自分だけではなかなか理解しにくい内容をわかりやすく解説してくれると、

近年学生の中で流行りでありもはや主流となりつつある映像講義。

国試合格に必要な情報をすべて予備校側が揃えてくれているので

これを利用すれば勉強の効率は格段に上がることでしょう。

しかーし、映像講義をはじめ、予備校の商品はどれもイイお値段なのです!!

 

私は金銭的な問題もあって映像講義は受けていませんが、

もしこの記事を読んでくださっている医学生で購入を迷っている人がいましたら、

購入することを私はお薦めします。

なぜなら「みんながやっていることをやるのが一番だから」です。

 

国試を突破するために必要な力

国試に合格するために必要な力とは一体何なのか?

 

「暗記力」や「記憶力」と答える受験生は多いのではないでしょうか?

なぜなら国試の出題範囲は広く、必要な知識量は膨大だからです。

国試の問題は知っているか知らないかで得点率が大きく変わります。

国試は5択問題ですから誰だって”5分の1”の確率で得点することができます。

しかし、必修では80%以上、各論・総論では約70%以上の得点が必須ですから、

5分の1の得点率で70〜80%以上の得点は至難の業です。

知識がなければ5分の1程度の確率しか期待できない難問に感じますが、

知識があればそれだけで得点することができるので易しいとさえ感じるでしょう。

もちろん知識があっても解けない問題も中にはありますがね…

 

「気合」「根性」「忍耐力」「底力」といった、スポ根魂のような「精神力」だと答える人も少なくないのではないでしょうか?

勉強してもなかなか模試の成績が上がらない、何度やっても覚えられない、など

受験生が自信を喪失してしまう要因は多々あります。

一日10時間近い勉強を何日間も続けなければならないことや、

終わりの見えない試験勉強、試験に落ちてしまうのではないかという不安、など

試験期は非常にストレスフルです。

これらを乗り越えるための強靭なメンタルも備えている必要がありそうです。

ただ、厳しい大学入試(個人的に国試よりも大変な試練)を乗り越えてきたのですから、みんな大丈夫だと信じています!

 

さて、私が、国試合格に必要なものを1つ挙げるとするのならば、

「自身の特性に応じた勉強方法を見つけてそれを継続する力」でしょうか?

 

国試攻略のための共通解はありませんが、受験生一人ひとりに最適解はあるはずです。

学生歴の長い医学生ならば自分がどんな受験生であるか既にわかっているはず。

それを見出せた者が先へと進み、見出せなかった者が取り残されるのです。

その証拠に、1度国試に落ちた人は再び受験に失敗する可能性が高いことがわかっています。

 

合格率90%

合格率が約90%にコントロールされている国試。

数字だけを見れば簡単に思えるのですが、見かけほど甘くはありません。

国試のための試験勉強も大変ですが医学部を卒業するのも大変です。

国試の準備は医学部での実習や試験、マッチング活動(医学生版就活)と同時並行ですから

その厳しさは大変の二乗以上といったところでしょうか?笑

 

この記事を投稿する頃には国試まで残り50日を切っていることでしょう。

第117回を受験される皆さん、一緒に頑張りましょう!

来年以降に受験される皆さん、1年先で皆さんをお待ちしています!

既に合格された先輩方、応援してください、そして温かく迎え入れてください!

受験生ではない皆さんも是非応援してください!

ここまで読んでくださった全ての方、ありがとうございました!

これからも当ブログをよろしくお願いいたします。