スミシー医ハーサカのブログ

医学部に入学してから卒業するまでのたわいもない話

#25 初期研修は最もストレスフルな新人研修⁉︎

On the Horns of a Dilemma

 

こんにちは、医師となりましたスミシー医ハーサカです!

 

本記事は医師となって初めて投稿するものとなります。

初期研修医という”出来立てほやほや医師”について今回は軽くお話ししたいと思います。

それでは早速参りましょう!

 

 

 

そもそも初期研修医って何?

現在の日本の制度では、

新たに医師免許を取得して医師となった者は

最低2年間の臨床研修(医療の現場で実際に働きながら様々なことを学んでいくこと)

受けなければならない決まりとなっています。

この研修のことを初期研修といい、この期間中にある医師のことを初期研修医と言います。

 

ちなみに後期研修医と呼ばれる医師もいて、

初期研修を終えた医師はそれぞれが希望する診療科のライセンス(専門医)を

取るための臨床研修を開始するのですが、そんな彼らは後期研修医と呼ばれます

正確には過去の呼び方で現在は専攻医と言います)。

 

厚生労働省臨床研修の基本理念をこう示しています。

臨床研修は、医師が、医師としての人格をかん養し、

将来専門とする分野にかかわらず、医学及び医療の果たすべき社会的役割を認識しつつ、

一般的な診療において頻繁に関わる負傷又は疾病に適切に対応できるよう、

基本的な診療能力を身に付けることのできるものでなければならない。

 

つまり、「初めの2年間で医師としての基礎を身につけて

高い専門性が求められない程度のことは一人でできるようになろうね」ということです。

 

 

病院内における医師の立場

一目も二目も置かれる職業、それが「医師」

医師という存在は時に神様に喩えられるほどに

一般人よりもかけ離れたスゴイ存在と見做されることが少なくありません。

一般の方からそういった色眼鏡で見られないことはまずないと言っていいでしょう。

 

そしてこれは医師としての基礎を学んでいる最中である初期研修医であっても例外ではありません

 

新たに担当することになる患者さんのもとにご挨拶に伺うと、

「若いのに偉いわね〜」、「親孝行ですね〜」という感じに評価していただくし、

治療に大して携われていないにも関わらず患者さんからはとても感謝されます。

 

 

医療従事者間では一番の下っ端

初期研修医は「医師」ではあるけれども、

医師になりたての頃はなーーーんにもできない”ぺいぺい”です。

 

一般の方々からはもてはやされたり崇め奉られたりすることの多い初期研修医ですが、

その一方で病院でのカーストは最底辺です。

 

医学部で6年間、医学について勉強し、臨床実習も2年間やってはきましたが、

それは所詮医師免許を取るためのものに過ぎないもので(個人的には)、

いざ医師として医療の現場に立つと自分があまりに無力で悲しくなります。

 

今みなさんの目の前にいる初期研修医はお薬の処方や検査の指示出しをしたこともなければ

外来や病棟での診察も指で数えるほどにしかしてきていません。

採血だってろくに経験しておらず、針を刺されるみなさんよりも刺す私たちの方が緊張していると思います。

 

このように医師としてやらなくてはならない業務は全然こなせないし、

看護師さんの方が処置も上手だし病棟業務もテキパキこなします。

 

医師の方が看護師よりも優れていると言いたいわけではありませんが、

医師の指示を受けて看護師などの病棟スタッフが動き出すということが多いので、

リーダーとして不甲斐ないことに打ちひしがれてしまいます。

 

「先生早く指示出してください」、

「先生それはこの病棟ではこういう決まりになっています」と言われたり、

看護師さんに指示を求められても自分自身では何も判断・決断できず

「上の先生に確認してきますね」と言わざるを得なかったり…

まだまだ未熟なのだから仕方のないことですが、そのたびにメンタルは削られていきます。

 

病棟の片隅でミジンコみたいに縮こまっている白衣の人を見かけたらきっとそれは私です。

 

 

目まぐるしく変化する職場環境

初期研修の2年間、初期研修医は様々な診療科を経験します。

短くて1ヶ月、長くて3ヶ月で研修する診療科が変わります。

人によっては1年近く同じ診療科で研修するということもありますが、

初期研修では「この診療科を◯ヶ月間は経験しなさい」というルールがいくつかあり、

多くの研修医が診療科変更を10回くらいは経験することになります。

 

つまり初期研修医は異なる職場環境をいくつも渡り歩く必要があるということです。

ようやく環境に慣れてきたと思った頃にはもう診療科変更なんてことが往々にしてあります。

上司(上級医、指導医、教授…)との接し方がなんとなく分かりかけてきたのに

また新たな上司を迎えて数ヶ月頑張らなければならない。

診療科が違えば担当する病棟の場所も変わりますが、

病棟でのルールは診療科ごとに違いますし、配属されている看護師などのスタッフも違います。

 

初期研修医は息つく間も無く、すぐさま新たな環境へと適応することが求められるのです。

想像して見てください、数ヶ月単位で次々と配属部署を変えられることのしんどさを。

上司が変わり、職場のルールも変わり、仕事内容も異なり、機器や物品の位置も異なる。

初期研修医はうつ病の発症率がかなり高いと言われていますが、納得いただけると思います。

 

 

板挟みの初期研修医

初期研修医は様々なジレンマを抱えながら2年間を過ごすことになります。

 

患者さんサイドからは尊敬憧れ畏怖感謝そして期待を抱かれ、

医療従事者側からはお荷物青二邪魔者として扱われます。

 

一刻も早く役に立ちたいと張り切る一方で、

あまりに何もできないために落ち込んでしまうなんてことはよくある話。

 

初期研修医は理想と現実の間で板挟みに遭います。

 

 

皆さんにお願いがあります

同業者へのお願い

あなたの目の前にいる初期研修医は必ずしも優秀とは限りませんし、

精一杯頑張ってはいますが中々上達しない要領の悪い人かもしれません。

 

人には人の成長スピードというものがありますから、

温かく見守っていただき、助けを求められたら優しくサポートしてあげてください。

もし患者さんの命に関わるようなミスなど見逃せない行為があればその時は指摘してあげてください。

 

あなた自身が新人だった頃を思い出してみてください。

その時して欲しかったこと、されたくなかったことを考えて接してあげてください。

 

 

一般の方(患者さんなど)へのお願い

あなたのお世話をしている初期研修医は医師ではありますがまだまだヒヨっ子です。

できないことの方が多く、そのことであなたに迷惑をかけてしまうことがあるかと思います。

ですが、医師という職業に限らず、誰しも初めからうまくできるわけではありません。

 

その分できることには全力で取り組みます。

処置や治療、同意書についての説明を初期研修医が担当することは多いと思いますが、

おそらく初期研修医が一番懇切丁寧に説明してくれると思います。

 

初期研修医には多くを期待せず、

「研修頑張ってくださいね」と心の中で応援してくださると気が楽になります。

 

 

終わりに

いよいよ初期研修が本格的にスタートします。

今後のブログ活動では、研修の具体的な内容等について書いていけたらと思っております。

忙しくなりますので次の投稿がいつになるかは分かりませんが、それまでお待ちいただけると幸いです。

それでは失礼します。

#24 第117回医師国家試験の振り返り 第2部

A look-back on the exam -Part 2-

 

こんにちは、スミシー医ハーサカです。

 

今回は「第117回医師国家試験の振り返り 第2部」として、

国試の実際の問題から国試合格のためのエッセンスをみなさんにお届けする回です。

 

勉強法に唯一解はなく、多くの”正しい勉強法”がこの世に生み出されています。

ただ、そのすべてが自分に合うことは決してありません。

そして何より採択できる勉強法は一度に1つのみです。

 

過去に私が、私の中で一番良いと考え実践してきた勉強法をお伝えしたことがありますが、

数多い勉強法の中から自分に合っているものを見つけそれを実践していくのは各学生の務めです。

”最適解”を見つけるまでに紆余曲折あるかと思いますが、

いかなる勉強法を選んでも重要な学びのポイント<エッセンス>があるはずです。

これを踏まえていれば、勉強法がなんであれ勉強時間さえ確保していれば、

医師免許は確実に得られるとさえ考えています。

 

今回は「エッセンス」を第117回の問題の中から抽出し、みなさんにお伝えしたいと思います。

ただ、国試合格に必要な要素をすべてお伝えすることは到底不可能です。

「エッセンス」と大層なこと言って割に当たり前すぎることを書いていることもあるでしょう。

しかしそこは、一介の国試合格者のブログでの独り言と思って、目を瞑っていただけると幸いです。

 

それでは最後までお付き合いください!

 

 

 

カテゴライズしながら勉強しよう!

A4は急性好酸球性肺炎についての出題でした。

 

この問題に正解するには、

「急性好酸球性肺炎の病初期では末梢血好酸球数の上昇を認めないことがある」

ということを知っているだけで事足りました。

 

ところが予想正答率は芳しくありませんでした。

「そんな細かい知識なんて知らないよー」という人が多かったのでしょうか?

しかし、インフレが進んでいる昨今の医師国家試験では、

詳細な知識を問う問題は今後増えていくのではないかと思っています。

 

疾患ごとのウェイトが大きくなっていく訳ですから、知識を整理しながら覚えていく必要があります。

そこで、知識をカテゴライズして覚えることをお勧めします。

 

急性好酸球性肺炎においては、A4の各選択肢を見てもらうとわかるように、

「間質性肺疾患の1つであること」、「本疾病ならではのこと」をおさえた学習が重要です。

 

「IL-6の上昇」は、間質性肺疾患であることが自ずと思い出せます。

もし、選択肢が「%VC<80%」であっても想起できるはずです。

 

注力すべきは、「若年者の喫煙が発症の契機となる」や、

ステロイドへの反応が良く再発も少ない」などの特徴的なことです。

間質性肺疾患であるがゆえの症状や検査所見は、間質性肺疾患の勉強時に頭に叩き込んでおき、

急性好酸球性肺炎の勉強時には本疾患が間質性肺疾患に属するということをおさらいする程度にします。

 

カテゴリーの利便性は、単に一度に記憶する量を減らすことだけにあらず、

その知識が想起しやすい様に頭の中にしまっておけることにもあります。

 

カテゴライズするということは1つ1つの知識を1箇所にまとめたり結び付けたりすることです。

問われている知識をピンポイントで思い出せなくても、

関連する事柄に気づくことができれば芋蔓式に欲しい情報にたどり着けます。

 

カテゴライズするには「共通点」の存在が必要です。

知識を分類してながら勉強することで「共通点」を見出す力を養うこともできます。

”共通”点がわかれば”相違”点もわかるはずです。

これは鑑別疾患を挙げる上でも一役買うであろう貴重な力です。

 

 

意識下から無意識下へ

A39は色素性母斑を診断させる問題でした。

 

皮膚科では常に「悪性黒色腫なのかそうでないのか」という問題がつきまといます。

ひと昔前であれば皮膚科は悪性黒色腫、乳腺外科は乳癌にしておけばよかったのですが、

国試のインフレーションが進むにつれてそうとは限らなくなってしまいました。

 

本問でも悪性黒色腫か色素性母斑かで迷った人が大半なのではないでしょうか?

悪性黒色腫の肉眼所見の特徴として「ABCDE」の5つの所見があったと思います。

この「ABCDE」に注目しながら写真を見てみれば悪性黒色腫ではないことがわかるはずです。

 

さて、私が言いたいことは「ABCDE」の重要性ではありません。

ここで一度、病理学でのスケッチを思い出してみてください。

課題をさっさと終えようと先輩にもらったスケッチの模写に一生懸命ではありませんでしたか?

特徴的な所見があっても先輩の描いた通りに描きその所見の名称を添えるだけ。

このようないい加減なことをしているからいつまで経っても病理画像や皮疹画像がわからないのです。

 

画像というのは、関心、知識といったものがあるのとないのとでは見え方は全く異なります。

美術館を訪れたとして、観たい作品があるわけでもなく仕方なく来館したという人にとって、

目の前にあるアートはただのモノとしか感じられないと思います。

しかし、作品に込められた作者の想いや意図ついて知れたり、

家族や友人、恋人のお気に入りの作品だと分かったりした時、

ただのモノとしか思わなかったはずの作品が違って見えるはずです。

 

病理画像や皮膚疾患の画像も同じです。

画像を見る前にしっかりその疾患についての知識を仕入れておき、

画像のどこに着眼すべきなのかきちんと把握しましょう。

何を見れば良いのか分からないのであれば分かる人に尋ねましょう。

 

そうやって意識して画像を観るように普段から心がけましょう。

次第に意識しなくてもできるようになります。

 

スポーツでも楽器の演奏でも自動車の運転でもそうですが、

その道の達人というのは重要な所作や工夫を無意識下で行うことができます。

しかし、達人も初めは一つひとつ注意しながら行っていたはずです。

 

「病理、皮膚疾患苦手〜」などと言ってないで、

大事なポイントを一つひとつ丁寧に抑えながらやってみましょう。

そうすれば画像問題も怖くなくなっているでしょう。

 

 

医学界のトレンドを把握せよ

A73は成人の心房中隔欠損症の問題でした。

 

成人先天性心疾患とは先天性心疾患を有していた患者が成人に達したことを意味します。

従来であれば成人を迎える前に命を落としていたものが、

医療の進歩により成人してもなお生存できるようになって来ました。

その一方で、先天性心疾患患者が大人になることで抱える新たな問題も顕在化してきており、

「成人先天性心疾患」というワードにはそういった概念も含まれています。

 

先天性心疾患の患者が小さいうちであれば小児科にかかるのは何も問題はありませんが、

成人してもなお小児科に通い続けることは一般常識からしてみればおかしなことに感じられます。

ですが、その患者にとって信頼できる先生は生来お世話になってきた小児科医であり、

成人したので他の先生に診てもらってくださいというのは残酷な話ですし、

普段成人の相手をしている先生がいざ先天性心疾患を診ろと言われても無理だというのが実情でしょう。

 

このほか、先天性心疾患の女性患者の妊娠・出産などの問題もあり、

成人先天性心疾患にどう向き合うかが今後ますます重要になってくると思われます。

 

「現代医療の重要課題についてもちゃんとアンテナを張っていますか?」

という意図がこのA73には込められているように感じられました。

 

ではどうすれば医学界のトレンドに関する情報を入手できるのか?

それには臨床の現場に身を置くことの他にはないでしょう。

トレンドとはその世界に住む者が作るものです。

ここまで言えばお分かりですよね?

そうです、臨床実習で入手するのがイチバンです。

 

 

一方通行な知識はNG

C70は急性大動脈解離から心タンポナーデとなった症例に関する3連問のうちの1題でした。

 

今回は勉強法というよりは問題の解き方について書きます。

実際に解答するときに使うのもありですが、

特に過去問演習など問題を解くことによって学習する際に使用してほしい方法です。

 

本問は、「この患者の心エコー検査で認められる所見はどれか」という問題でした。

急性大動脈解離および心タンポナーデで見られるだろう所見を予想して選択肢を選ぶの人もいるでしょうが、

ここでは選択肢にある所見がどのような状態の人に見受けられるのかを先に考える方法をお勧めします。

 

「拡張期の右室の虚脱」というのが正解の選択肢でした。

右室の虚脱という馴染みのない言葉に当選択肢を選ぶのを躊躇してしまったのでしょうか?

では、肺胞の虚脱ならどうでしょうか?これならなんとなくイメージがつきませんか?

肺胞は外気を取り込むことによって膨らみますが、膨らめないことを虚脱と言いました。

右室は全身の血液が還ってくる場所ですので、拡張期に血液が右室に流入してこないと虚脱となります。

拡張期の右室に血液が流入しない原因を考えてみましょう。

心タンポナーデや緊張性気胸といった心外閉塞性ショックが思いつくはずです。

 

「『A』という病態では、『B』という所見が見られる。」という一方通行な知識は役に立ちません。

各論のサマリーを見るだけの勉強を行っているとこの”一方通行”に陥ります。

 

「『B』という所見は『C』のために認められ、それには『A』が該当する。」

この向きで考える訓練には過去問演習が最適と考えます。

選んだ選択肢の正誤にこだわるのではなく、

選択肢の内容をしっかり吟味して根拠を持って解答できたかにこだわりましょう。

 

 

おわりに

当初の予定ではもっと多くの問題を取り上げる予定でしたが、

思いのほかブログを書くための時間を確保することができず、

たったの4問しか書けませんでした…。

ですが、小生のブログを見て下さるような殊勝なみなさんであれば、

自分の力だけで国試合格を掴めると信じているので、まあ良いでしょう笑

(じゃあこの記事書くなよ…)

 

もし、国試の勉強など、医学部でのことで悩み事や困り事があれば気軽にご連絡ください!

当ブログは私が初期研修を始めても暇を見つけて細々と続けていくつもりですので、

新しい記事をアップしたときにはぜひお越しください!

それではまたお会いしましょう!

#23 第117回医師国家試験の振り返り 第1部

A look-back on the exam -Part 1-

 

皆さん、ご無沙汰しております。

スミシー医ハーサカです!

 

既にTwitterにてご報告させていただいたように、

無事に第117回医師国家試験に合格することができました。

これにより4月から医師としての人生を始められるようになったわけですが、

立派な医師になれるようこれまで以上に精進し、

お世話になった方々への恩返しをしていきたいと思います。

 

さて、今回は、第117回医師国家試験で出題された問題についての振り返りです。

全400問振り返るのは大変なので、印象に残ったり話題になったりした問題に限定させていただきます。

 

そして、この振り返りは2部構成とさせていただこうと考えています。

第1部の今回は、個人的に印象に残った問題を紹介することで、

私の国試の回想にお付き合いいただきたいと思います。

第2部では、正答率の低い難しい問題や私が良問だと感じた問題の中から、

将来国試を迎えるであろうみなさんに知って得てほしいことを伝えられたらと考えています。

 

久々の投稿となり、皆さんをお待たせしてしまったので、

御託はこのあたりにして、早速本題に参りたいと思います!

 

 

お断り

問題の内容に触れる前に一つ断っておきたいことがあります。

文量などの理由により問題文、画像および選択肢は記載しておりません。

予備校が公開しているものや今後厚労省が公表するものを参考にしてください。

 

個人的に印象に残った問題

A1

本問はその内容というよりも、第117回の記念すべき1問目ということで採用しました。

ここ何年かの第1問は難しいイメージがあったので気合を入れて臨みましたが、

大したことはなくて拍子抜けしてしまったのを覚えています。

 

ただ少し意外だったのが、初っ端から「3つ選べ」の出題だったことです。

複数解答の問題から始まった模擬試験を受験した記憶は私も私の友人にもありませんでした。

 

今回は正解がすぐにわかったので「3つ選べ」に動揺することはありませんでした。

ですがもし解答に自信を持てていなかったらその後に悪影響を及ぼしていたかもしれません。

模試はあくまでも模試だということを忘れないようにしましょう。

 

 

A23

たこつぼ心筋症が国試史上初めて正解となった問題でした。

出るぞ出るぞと言われ続け、満を持しての登場でした。

 

臨床実習で循環器内科を回る度にたこつぼ心筋症の心電図や諸画像検査の結果を見せていただきました。

専門の先生方にとってもいつ国試で出題されるか注目のトピックだったのだと思います。

 

A23がどのような問題だったかと言いますと、

本症例の特徴的な心電図や、他疾患の除外に必要な冠動脈造影検査の所見も示されており、

初登場に対してお膳立てがなされたとても親切なものでした。

今後はたこつぼ心筋症をテーマとした、より凝った出題がなされるかもしれないですね。

 

実習でお世話になった先生方のおかげもあり、

たこつぼ心筋症のデビューを楽しめるほどの余裕がありました。

真面目に実習をやっているとこの様な良いこともありますからしっかり実習に励んでくださいね!

 

 

A42

潰瘍性大腸炎の症例問題でした。

現病歴や下部消化管内視鏡検査の結果から潰瘍性大腸炎が疑われた症例でした。

しかし、「60歳」という年齢が妙に引っかかりました。

高齢発症も稀ではありませんが、潰瘍性大腸炎といえば若年者の代表的な疾患であり、

私の記憶の限りでは高齢者の炎症性腸疾患からの出題はありませんでした。

 

実臨床は教科書通りにはいかないのだぞと言われているようでした。

 

 

B40

これはTwitterでも少し話題になった問題です。

医師が診察のために病室を訪れたところ異状死体を発見したというシチュエーションでした。

この状況下でその医師が次に行うべき適切な対応を問う問題であり、

当然、その医師は「異状死の届出」を行わなければなりません。

ところが、「清掃の指示」という選択肢を選んだ人がいるという情報がツイートされ話題に…。

他人の失敗を笑うのは良くないですが、これに励まされた人もいたようでした。

 

 

C20

国際生活機能分類ICF)に関する出題でした。

同じテーマからの出題は過去何度もなされており、勉強はしていたつもりでした。

しかし本問では、ICFへの理解の未熟さを突きつけられる結果となってしまいました。

予想正答率も一桁台ととても低いものであり、多くの受験者が面食らったのではないでしょうか?

 

ICFの目的とは、「“生きることの全体像”を示す“共通言語”」だと厚労省は言います。

病気や障害を持った特定の人だけではなくあらゆる人々の間の共通理解に役立つことを

目指そうとするその姿勢は誰もが持つべきものであるとは思います。

だからといって重箱の隅をつつくような問題でICFについての理解を問うのはおかしいかなと思いました。

 

 

D1

創部の写真からその原因を推測する問題でした。

過去問にもいくつか同じような出題がなされているのですが、私はなぜかこの手の問題が苦手です。

予想正答率が90%台とものすごく高く、「みんなどうして分かるの?」と疑問でした笑

自分でいうのも何ですが、成績上位者である私にすら苦手分野はあり、

正答率のとても高い問題であっても間違えてしまうことは往々にしてあります。

ですから、一般・臨床の問題で少々ミスしてしまっても、

ライバルたちもどこかでミスをすると思って最後まで諦めずに解き切りましょう!

 

 

E30

問題文を数行読んだ段階で、「あ、反復・習慣流産かな?APSかな?」と思いました。

しかし、「いずれも胎胞が膨隆し…」という一文と、

「これまでの精査でAPSは認めない」との但し書きにより、

頭の中が「?」でいっぱいになってしまいました。

恥ずかしながら「胎胞の膨隆」が何のことだかわからずお手上げでした。

 

今年は産婦人科の問題が目立ち、しかも癖のある問題が多かったように感じました。

友人は、「産婦人科学会が『君達の合否<運命>を握っているのは我々だ。』

とでも言っているかのようじゃないか!」と冗談を飛ばしていました。

 

 

E33

研修医と指導医の会話の中から誤っている箇所を選ぶタイプの問題でした。

このタイプの問題では、途中まで完璧な対応を見せる研修医が

突然人が変わったようにポンコツを繰り出すのが個人的なツボで、

毎回心の中でツッコミを入れざるを得ないのです。

 

 

E46

予想されていた新型コロナウイルスからの出題は少し意外な形でなされました。

 

新型コロナウイルス感染症の疑いのある患者に対して行う検査について問われました。

素直に新型コロナウイルスPCR検査を選びたいところでしたが、

「息子の陽性が判明した時点で、本人は無症状だったが自宅にあった鼻腔ぬぐい液の

新型コロナウイルス抗原定性検査を自身で行い、陰性だった」という文言により、

「だったらインフルエンザウイルス迅速抗原検査も適切なのでは?」と、ややこしくなりました。

 

このような問題の場合では、臨床実習で見たことがヒントになると思い、

これまでの実習を思い返してみたのですが、「いや、どっちも見たわ!」…

この問題の設定が冬でなければインフルエンザの線は切れたでしょうが、

不幸にもそのような記述はどこにも見当たりませんでした。

 

時期や施設などにより対応が異なることからの出題はぜひやめていただきたいものですね…

 

 

F42

オピオイドローテーションからの出題でした。

これまでオピオイドローテーションは、

「行うべき適切な対応はどれか?」という問題の正解選択肢として登場するくらいのものでしたが、

本問ではまさかのその内容にまで突っ込んだ設問でした。

オピオイドなんて副作用と簡単な処方のルールくらいのことしか知らない学生に、

この問題は難しすぎやしませんかねぇと思っていましたが、案の定採点から除外されました。

 

人間は誰しもミスを犯すものですが、

国家試験くらいは不適切問題のなきようにしてほしいところです。

 

 

F71

A-aDO2を計算により求めさせる問題が出題されました。

それを導出するための公式はそれほど複雑なものではなく、

何回か問題を解きさえすれば誰でも得点できる格好の得点源<カモ>です。

 

ではなぜそのような問題を取り上げたのかと言いますと、

その公式には「150」という近似値が使われることがあるというのが理由です。

今回は、近似値を利用する箇所が与えられた数値によって計算可能でしたので、

「150」ではなく計算により導いた値を使用して解答するのが正答でした。

答えの導出には最後、四捨五入が必要となるのですが、

「150」を使用した場合とそうでない場合とでは答えの最小の桁の数字が異なるという結果が待っていました。

この点に関してネット上ではちょっとした騒ぎになっていました。

 

 

F75

第117回の最後の問題も採用しました。

F74に対しては、「150」を使うのと使わないのどっちが正解なのか、

あるいはどちらとも正解なのか、当時は気になったものでしたが、

「150」を使わなかった方のみが正解となることに対して、

納得のいかない人はほとんどいないでしょう。

 

しかし、本問F75に対しては、出題そのものに対して不満を抱く者は少なくないでしょう。

なぜなら、推定細胞外液量を算出する公式の存在が明確には存在しないからです。

「ヒトの身体の約60%が水分で、そのうちの約3分の1が細胞外液」ということから

解答を導き出すのが正解とされているようですが、

A-aDO2の算出と比べると曖昧な点が多いように感じられました。

これがラストを飾る問題かと思うといささか残念な気持ちがしました。

 

 

最後に

本来であればもっと多くの問題を取り上げたかったのですが、

国試終わってからとても忙しかったのであまりブログ活動できないでいた間に、

当時感じたり考えたりしたことの多くを忘れてしまったため、

紹介できた問題は思ったよりも少なくなってしまいました…

 

次回の振り返り第2部では、いつか国試を受験されるみなさんに、

少しでも多く”国試のエッセンス”を受け取っていただけるよう心がける所存です。

ピックアップする問題数もできる限り多くしますので、記事がアップされた際にはぜひご一読ください。

#22 第117回医師国家試験受験記 ④試験2日目編

The second day of the examination 

 

こんにちは、スミシー医ハーサカです。

今回は国試2日目について書いていきます。

 

試験1日目編はボリュームが予想以上にあったために2部編成となってしまいました。

ですが、2日目は1日目と重複するところも多く、省けるところは省いていますので、

試験2日目編は一気に読み切れるくらいの分量に仕上がっているはずです!

 

それでは最後までお付き合いください!

 

 

 

試験2日目の朝

昨晩の振り返り

試験1日目の夜の過ごし方で未来の国試受験生が気になっているのは、

「自己採点をした方が良いのかしない方が良いのか」でしょうか?

これは国試における永遠の命題と言っても過言ではないでしょう。

 

手応えが良かった場合、

自己採点で高得点が期待されるとわかったのなら自信満々で2日目を迎えられるでしょうし、

思ったほど良くないことがわかったのなら不安を抱えながら2日目を迎えるでしょう。

手応えが悪かった場合はその逆です。

 

自己採点をしなかった場合は、

「あの問題は果たして正解できただろうか?」「禁忌肢踏んでないだろうか?」という

もやもやを抱いたまま2日目の試験に望むことになります。

とはいえ、いざ2日目最初のセクションであるD問題が始まってしまえば、

目の前の問題に嫌でも集中することになるので、そのもやもやは去っていくでしょう。

 

しかし、自己採点により「落ちてしまうかもしれない」と思ってしまった場合、

ここからくる不安や焦りといった感情はなかなか消えてくれません。

消えないどころか、答えのわからない問題が増えていく度に増長されていき、

思考力や判断力、直感力を鈍らせケアレスミスを誘発させてしまいます。

 

私個人の考えとしては、試験1日目終了後の自己採点は

メリットよりもデメリットの方が大きいのでやめておくのが無難だと思います。

それよりも、(何度も言いますが、)心と体の疲れを取ることの方が重要です。

 

ホテルから試験会場へ

2日目の朝も、1日目とほとんど同じ様に過ごしました。

違う点を挙げるとすれば、チェックアウトをしたことくらいでしょうか。

 

2日目の移動時の雰囲気は取り立てて説明するほどのものではありませんでした。

強いていうなら朝早くてみんな少しまだ眠たそうだなぁという感じでした。

 

ところがどっこい、試験会場は1日目と大して変わらず賑やかで、

「みなさんお若いですねー。」と思っていました(同年代のくせに何言ってんだこいつ)。

 

D問題が始まるまでの過ごし方も昨日と同じでしたので割愛させていただきます。

 

D問題開始!

D問題は、「各論」であり、全部で75問あります。

制限時間は2時間45分です(9時30分〜12時15分)。

 

D問題もA問題のように難易度が両極端でした。

「側頭葉てんかん-自動症」や「手根管症候群-母指から環指橈側の感覚障害」といった

必修問題で出てもおかしくないようなド定番の問題が出たかと思えば、

破傷風-メトロニダゾール」のように

イヤーノートで青字・太字にもなっていないような知識を問うてきたりと、

学生に求めるレベルが一体どのくらいの高さなのか推量れません。

 

きっと医師国家試験の試験委員の先生方もどんな問題を出題すれば良いのかわからず

試行錯誤しているのかもしれないな〜なんて考えながら、

簡単な問題の取りこぼしがないよう注意しながら解いていきました。

 

E問題開始!

E問題は、「必修」であり、全部で50問あります。

制限時間は1時間35分です(13時35分〜15時10分)。

 

(※昼休憩の過ごし方は1日目とほとんど同じだったので割愛させていただきます。)

 

E問題は自信を持って答えられた問題が同じ必修のB問題より少なかったです。

必修のくせに根拠を持って最後の2択を選択することができない問題がいくつかありました。

 

その代表例が問46の問題です。

現病歴からは新型コロナウイルスに感染している可能性がかなり高いにも関わらず、

自宅と搬送先とで行った新型コロナウイルス抗原定性検査がそれぞれ陰性だった患者に対し、

次に行うべき最も優先度の高い検査はどれか?という問題です。

 

新型コロナウイルスPCR検査」と「インフルエンザウイルス迅速抗原検査」のいずれかが

正解選択肢だろうということはすぐにわかりました。

しかし実臨床ではどちらも行われており、施設ごとにその対応が異なるというのが実情です。

答えを2つ選ぶ問題であれば迷うことはないのですが、答えはただ1つしかありません。

どちらがより多くの施設で行われているでしょう?という問題なのだとしたら

これはもう奇問中の奇問としか言いようがありません。

 

しかもこれが「3点問題」というからさらに驚きです。

今年度は必修落ちが増えるという噂がありましたが、

お上はこういうところで合格者を減らそうとしているのでしょうか?

 

F問題開始!

F問題は、「総論」であり、全部で75問あります。

制限時間は2時間30分です(16時00分〜18時30分)。

 

いよいよ最終セクションであるF問題に突入。

 

一般・臨床、いわゆる”パンリン”の満点は75×4=300点です。

そしてパンリンにはボーダーがあり、例年70%前後です。

よって、240点(80%)以上取れていれば合格間違いありません。

ですが、パンリンで240点以上取るためには、

たとえA・C・D問題で満点だったとしてもF問題を無回答で帰るわけには行きません。

国試は最後まで気の抜けない試験なのです。

 

しかし、F問題に挑んでいる頃には疲労も限界に達してくるので、

油断してしまうと簡単に足をすくわれてしまいます。

各セクションの間にある休憩時間は、少しでも疲れが取れるようしっかり休みましょう。

 

さて、F問題で物申したいのは問75です。

第117回のフィナーレを飾る問題はどんなものなのか?

ちょっとワクワクドキドキしながらページをめくったのですが、

「えっ、最後の問題がコレですか⁉︎」と驚き呆れたのを今でも覚えています。

 

なぜ、そう思ったのか?

問75は推定細胞外液量を算出する問題だったのですが、

問71で問われたA-aDO2のような公式にあたる計算式が推定細胞外液量には無いからです。

 

問題文で与えられたのは、年齢、性別、健康状態、身長、体重、BMI、腹囲、体脂肪率でした。

ところが、推定細胞外液量を求めるのに使用するのは体重のみです。

1年生か2年生で習うと思うのですが、

ヒトの体液の割合は細胞内液:細胞外液=2:1とされています。

そして、体液(水分)は成人の体重の約60%を占めているとされています。

従って、推定細胞外液量 = 体重 × 0.60 × 1/3 で一応は求めることができます。

 

しかし、コンセンサスの取れた公式でもない計算式と、

個人差のある曖昧な数値とを用いて解答するような問題が

国家試験の問題として出題されていいのでしょうか?

 

国試終了!

最後のセクションであるF問題が終了する瞬間を問題冊子に落書きをしながら迎えました。

寝ながらその瞬間を迎えようとも思ったのですが、

もしそうしていたら試験が終了したことにも気づかず寝続けてしまうような気がしたので

お絵描きをして暇を潰すことにしました。

 

終了の合図と共に、「終わったー!!」と大声で叫び出したり、

問題冊子を宙に放り投げたりする人はいないかなーなんてちょっぴり期待したのですが、

そんな面白い人は誰もいませんでした笑

 

帰りたい 帰りたい あったかハイムが待っている♪

長かった2日間も終わり、ようやく我が家に帰ることができます。

温かいご飯、温かいお風呂、温かいお布団のある生活に早く戻りたいっっ!

 

荷物を投げ入れるかのようにリュックにしまい、そそくさと会場を後にしました。

会場の外では早速祝杯をあげている人が何人かいて、気が早いなーとは思いましたが、

国試合格のために色々なことを我慢してきたからこその喜びの発露なのでしょう。

 

私も人混みの中から友人を見つけ、久々の歓談を楽しみました。

気兼ねなく普段通り接することができるようになったのがとても嬉しかったです。

あんなに心苦しい思いをしなければならない国試は二度とご免ですわ笑。

 

まとめ

国試の2日間に抱く思いは人それぞれだとは思いますが、

私としては精神面と身体面でとても疲れた2日間だったというのが率直な感想です。

いつもならば必要のない配慮が求められる何かと抑圧や制約の多い日々は、

想像以上にしんどいものであり知らず知らずのうちに消耗させられます。

長時間の試験時間や慣れない環境での生活は体力をごっそり持っていきます。

勉強面が充実した状態で試験に臨むことはもちろん大切ですが、

心身のコンディションがちゃんと整った状態で試験に臨むことはもっと大切です。

耳にタコができたよという人もいるかもしれませんが、本当に大事なことなのです。

 

次回予告

次回からは「問題の振り返り」を書いていきたいと思います。

まだ厚労省から公式の模範解答が公開されていない中での執筆となりますので、

私や予備校の思う正解と公式の正解が異なる場合があるかもしれませんが、

どうかご容赦いただけると幸いです。

また、実際に国試を受験してみて、

こういう勉強は良い/悪いなどについてもお教えできればと思っています。

 

それではしばしのお別れです。また当ブログでお会いしましょう。

#21 第117回医師国家試験受験記 ③試験1日目編 -Part 2-

The first day of the examination -Part 2-

 

こんにちは、スミシー医ハーサカです。

前回に引き続き、今回も国試1日目について書いていきます。

では、早速参りましょう!

 

 

 

お昼休憩

私のお昼休憩の過ごし方

12時15分、最も長いA問題がようやく終わってお昼休憩となりました。

次のB問題は13時35分から開始しますが、

A問題と同様に説明と配布のための時間があるので休憩時間は50分ほどでした。

 

昼食も国試対策委員の方が用意してくれました。

会場の外で配布してくれるとのことでしたので、試験室を出ました。

他大学も同じように委員の方が昼食を配布しており、

委員の前に並ぶ受験生の列が大学の数だけ形成されていました。

 

私の大学の列は最も会場出入口に近いところだったのですが、

他大学の受験生が自分たちの弁当が配布されているところへ向かうのに

列に並ぶ私の目の前を遠慮なく通り抜けていくということが10回ほどありました。

すみませんと言いながらであればまだしも、悪びれる様子もなく談笑しながら通過され、

私の心の器が小さいということもあるのでしょうが、なんだか嫌な気持ちになりました。

 

また、これは私の友人の話なのですが、

A問題の出来にちっとも自信がなくブルーな気持ちで弁当を受け取りに向かったところ、

他大生が答え合わせをしているところに出くわし、

自身の解答が間違っていることを思いがけない形で知り、

気分がもっと落ち込んでしまって泣きそうになったそうです。

 

休み時間の過ごし方は個人の自由ですが、もう少し周囲に気を遣って欲しいものですね。

 

お昼の弁当にはサンドイッチを選びました。

試験室の外で食べたかったのですが、自席で黙食するよう指示されました。

味は可もなく不可もなくといったところでしたが、

自ら買い出しに行かずに済んだということを加味すれば及第点と言えるものでした。

 

昼食を自分で用意しなければならない人は

会場周辺のコンビニ事情などを事前に調べておくと当日困らないでしょう。

コンビニが会場から離れたところにしかない場合や、

近くにコンビニが1つしかなく混雑や品切れが予想されるような場合では

朝のうちに買っておくなどの何らかの対策を講じる必要がありますね。

 

昼食を済ませたらお手洗いに行きました。

混雑を避けるため試験室から離れたトイレに行くことにしました。

案の定、受験生の姿はほとんどなく、落ち着いた時間を過ごすことができました。

 

試験室に戻ると、受験生の多さに当てられそうになりました。

試験会場をなぜすべての都道府県で設けてくれないのでしょうか?

見知らぬ人から受ける精神的負荷がなくなります。

移動の負担も減り、宿泊費などのお金の負担も減ります。

私のようなおうちでしか寝られない子にとっては大助かりなのですが…

 

A問題が終わったことでみんな少し緊張がほぐれたのか、

今朝よりも会場が少し賑やかになったように感じられました。

一人でいるのは心細くて友人と話したくなる気持ちは理解できます。

ですが、休み時間に寄ってたかって答え合わせをすることには賛成しかねる立場です。

自信のなかった問題に正解していたことがわかれば自信につながるかもしれませんが、

間違いに気づいてしまうと落ち込んでしまって、残る試験に響いてしまいかねません。

それを避けるために国試が終わるまで答え合わせをしないと決めている人はいるはずなので、

その人たちのためにも周りに聞こえる声での答え合わせはやめていただけると嬉しいです。

 

私が昼休憩の残りの時間をどう過ごしていたかと言いますと、

友人が「ヤバい、落ちそう、どうしよう。」と泣きの連絡をLINEしてきたので、

その相手をするのが精一杯でした、ははは…。

 

お昼休憩には何を勉強すればいい?

私が席から見渡した限りでは、

試験の合間の勉強に一番用いられていたのは「究極MAP」でした。

勉強していた人の8〜9割が利用していたように見えました。

究極MAPをiPadで見ている人よりも印刷したものを見ている人の方が多かったです。

 

究極MAP以外では、自作のノートを見返している人が何人かいました。

さすがに内容まではわかりませんでしたが、

最後に頼るのが自分というところが同じノート自作勢としてとても誇らしく思えました!

 

一方、こういう時の利用を目的としているはずのMM出版のレビューブックですが、

私の周りで使っている人は見かけませんでした。

 

このような検証にはn数がとっても重要ですよね?

私の周囲だけ究極MAPの独壇場となっているかもしれないので、

友人の周りではどうだったか尋ねたのですが、

どこもかしこも究極MAPの天下だったということが判明しました。

絶滅したのかと思われていたレビューブックですが、

公衆衛生とマイナーはかろうじて生き残っていたという目撃情報がありました。

 

Q-Assistで勉強していたけど直前期は究極MAPに鞍替えした友人が何人かいますし、

究極MAPの利用を見越して初めからMedu4を利用しているという友人もいます。

究極MAPがいかに直前期の受験生から支持を集めているかが窺えました。

私は独学派なので実際に使用してみた感想というものを共有することはできないのですが、

直前期の勉強どうしたらいいですかという質問には「究極MAP」と答えることにします笑

 

B問題開始!

B問題は、「必修」であり、全部で50問あります。

制限時間は1時間35分です(13時35分〜15時10分)。

 

(理由の説明は省きますが、)

B問題は最も受験生に恐れられているセクションでありまして、

私も1日目の一番の勝負所はB問題だと思って臨んでいました。

 

必修の恐ろしさはやはり何と言っても「3点問題」でしょう。

200点中40点しか失点できない必修において、

たった1問で3点を失うことの損害はとてつもなく大きく感じられます。

そんな3点問題で必修のレベルを逸脱した超難問が出題されでもしたら

「これはないでしょ〜!」と声に出してしまう自信があります。 

 

ビクビクしながら解き進めていったB問題でしたが、

割れ問になるだろうなというものが何個かあったものの、

ほとんどの受験生が得点率80%をクリアできたと思われるほどの易しいものでした。

 

問題の内容に少しだけ触れますと、疫学からの出題が目立ったように感じました。

尤度比の絡む出題が2つくらいあり、ベイズの定理を使いこなせていない人は

答えを導き出すのに少し苦労したんじゃなかろうかと思いました。

 

これは完全な私見なのですが、

模擬試験で必修落ちあるいは落第スレスレであっても気にすることはありません。

ソースはまたしても私の友人たちなのですが、

彼ら彼女らの中には模試で必修落ちした人が数人おりましたが、

(自己採点での話ですが、)結局誰一人として必修落ちしませんでした。

あえて名は伏せますが、

必修の平均得点率が80%を下回ったと噂のメ⚪️◯模試という例もあり、

模試は勉強のきっかけや材料としてはなかなか良いものではありますが、

順位や得点率は問題が変わればその結果は異なるはずのものなので、

今回はたまたま苦手なところからの出題が多かっただけだし〜などと

軽く受け止めるくらいにしておくのが良いと思いました。

 

くどいと思われようが大事なことなので何度でも言います。

国試本番はメンタル勝負です。

くよくよなんかしてないで少しでも前向きな気持ちで臨んだ方がイイことあります!

 

C問題開始!

C問題は、「総論」であり、全部で75問あります。

制限時間は2時間30分です(16時00分〜18時30分)。

 

休み時間の過ごし方についてですが、

昼食をとらない点を除けばほとんどお昼休憩と変わらないので割愛させていただきます。

少しだけ話すとすれば、

コーヒーを飲んだりエナジードリンクを飲んだり糖分補給をしたりすることで

長丁場を乗り越えられるようにすることが大事なのかなと思います。

疲れや眠気などで集中力が低下したためにケアレスミスを連発なんてことは避けたいですね。

 

さてC問題ですが、一言で表すとすれば、難しかったです。

冒頭の数問は過去問にもあった内容だったので「これはいけるぞ」と思ったのですが、

次第にページをめくる手に勢いがなくなっていきました。

「あれれ、おかしいぞ〜」

過去回よりも公衆衛生からの出題数が多くなったような気もしましたし、

そんなことを医学生に知っておけというのはあまりに酷ではないか

とも思えるよう問題が何題も出されたようにも感じました。

また、「団塊の世代」や「日本は相対的貧困率の高い国であること」など、

日本の事情についてもっと知っておきなさいとお国から言われてるような気がしました。

 

試験1日目終了

18時30分、定刻通りに試験1日目が終わりました。

とてもとても時間が長く感じました。

どのセクションも1時間以上余して解答を終えたので、

見直しも終えて何もすることがないという時間が長かったです。

模擬試験の時はタイムスケジュールを無視して解き進めてもよかったので、

昼休憩後1時間足らずで1日分を終えて帰宅していました。

だから、ここまで長時間拘束される試験は経験したことがなく、

体力的にかなり消耗していました。

ですが、模擬試験をタイムスケジュール通りで行っていたとしても

非常にハードな1日だったことは周囲の受験者を見れば明らかで、

誰も彼もが疲れきった表情を浮かべていました。

 

試験1日目の夜

会場からホテルへと戻る時の雰囲気はピリピリとしていた今朝のものとは異なり、

さまざまな感情が入り乱れた複雑なものでした。

模擬試験の成績が芳しくなかったのに、

国試本番はその時よりも不出来に感じ、もうダメだと絶望感に苛まれている者。

手応えがあったのか今朝よりも明るい表情をしている者。

答え合わせをしようかしまいか悩んでいる者。

みなさんはどのような心境で帰路についていましたか?

私は昨晩のツケが回ってきており頭が痛くて痛くてそれどころではありませんでした。

 

ホテルに到着。

今夜の夕食も弁当でした。

しかし、頭痛のためもあって食欲はあまりなく、またしても弁当は食べられませんでした。

それでも何か口に入れなきゃと思い、代わりに昨日買ったスープパスタを食べました。

 

夕食を済ませたら頭痛が落ち着くまでベッドで横になっていました。

次第に薬が効いてきて痛みが和らいだのでお風呂に入りました。

今日はゆずの香りがする入浴剤を使用し、洗髪剤は昨日のと同じものを使用しました。

長いこと湯に浸かるのは良くないと考えたので、

体が温まったと感じたところですぐに上がりました。

 

昨日眠れなかったのだから今日こそはぐっすり眠れると思ったのですが、

思いのほか眠たいと感じられず、しばらくベッドの上で目を瞑っていました。

寝たいのに頭の中を思考がぐるぐるする現象は今日も健在で、

この日も22時にベッドに入ったのに日が変わるまで眠れませんでした。

まあそれでも昨日よりは眠れたので良しとしました。

 

試験1日目の総括

課題だった体力面とメンタル面の調整に失敗して1日目に臨むことになってしまいました。

生活リズムを正すのは難しいということを再認識するだけでなく、

国試に合わせて生活リズムを整えるのではなく、

日頃から規則正しい生活を送るべきだということを痛感しました。

なんとも程度の低い話ですが、

もし私のように乱れた生活を送る人がいましたら、直ちに改善することをおすすめします。

 

国試の問題そのものについて軽く触れますと、

A問題の振り返りでも述べたと思うのですが、

とても正答率の高い(85%〜)問題ととても低い(〜60%)問題が目立ち、

その間の正答率の問題が少なくなったように感じました。

また、画像が与えられた問題数も増えたような気がしました。

これらについては試験終了後に予備校の分析により事実だったことがわかりました。

 

正答率の低いいわゆる難問・奇問が増えると全体としての得点率は低く感じられ、

それが不安や焦り、試験半ばで心が折れるといったことにつながりかねません。

しかし、蓋を開けてみれば難しくはない問題でしっかり得点できており、

ちゃんと合格ラインに乗っていたというケースがほとんどです。

ですから、試験中どんなに辛くなっても諦めてはいけません!

 

「最後まで…希望を捨てちゃいかん あきらめたらそこで試合終了だよ」

バスケットボールの名言 on Twitter: "最後まで… 希望を捨てちゃいかん 諦めたら そこで試合終了だよ 【安西光義/スラムダンク】  https://t.co/OQZgTGqjNk" / Twitter

 

それでは試験2日目編でまたお会いしましょう。

#20 第117回医師国家試験受験記 ②試験1日目編 -Part1-

The first day of the examination -Part 1-

 

こんにちは、スミシー医ハーサカです!

 

今回はいよいよ国試当日について語っていきます。

予備校の採点サービスを利用したところ、

必修も一般臨床も90%以上の得点率が期待されるとのことでした。

ということで、「受験記」改め「合格記」ということでよろしくお願いします笑

 

 

 

起床から出発まで

体力の限界を迎えるまで寝られなかった眠りから覚めたのは6時を少し過ぎた頃でした。

最悪の寝付きの割にはすんなりとベッドから起き上がることができました。

着替えや洗顔、歯磨き、髪のセットなどを済ませ、朝食を受け取りに向かいました。

 

朝食を持って自室に戻りましたが、あまり食欲がなかったので手はつけませんでした。

けれど何も食べないのも良くないと思い、

昨日コンビニで購入したスープを食べました(委員の人、大変申し訳ない…)。

また、国試初日をなんとか乗り越えられるようにとリポビタンDをグイッと飲み干しました。

 

朝食を終えてから出発までの残り十数分間は

朝のニュース番組を見ながら会場に持っていく荷物の確認をして過ごしました。

筆記用具(HB鉛筆6本、鉛筆削り1個、消しゴム2個、ボールペン1本、定規1つ)、

受験票、伊右衛門1本、キットカット1箱、財布、iPadなどをリュックに入れました。

 ※医師国家試験の持ち物に関するルールについては後で述べます。

 

忘れ物がないことが確認できたので部屋を出ました。

いよいよ会場に向けて出発です。

 

ホテルから試験会場への移動

ホテルを出発したのが7時半過ぎでした。

会場は思ったより遠く、自動車での移動だと20分弱かかる程の位置にありました。

 

試験前日の移動の時以上に張り詰めた空気、

1分1秒たりとも無駄にできないと言わんばかりに皆参考書を見ていました。

睡眠不足の私は、動揺病(乗り物酔いのことです、医学生っぽいでしょ?笑)に

なってしまうことが怖かったので参考書は開きたくなかったのですが、

あらぬ誤解を招きたくなかったので勉強しているフリをしていました。

 

前回のブログで「触れぬ神に祟りなし」と言いましたが、

相手に直接働きかけなくてもその人の神経を逆撫でてしまうことがあるので注意です

例えば、周りの同期が必死になって知識の最終確認をしている中で、

余裕の雰囲気を醸し出していると殺意のある視線を送られてしまうことがあります。

それが試験前に心を落ち着かせる目的であってもです。

「みんなと同じようにする」という”医学部の鉄則”はここにも当てはまるようです。

 

試験会場に到着

試験会場に到着したのは8時過ぎくらいでした。

試験会場の敷地内は自・他大学の医学生でごった返しており、

先ほどまでの静けさが嘘だったかのように、辺りは騒がしいものでした。

 

移動中の雰囲気がどのような状態になるのかは大学によりけりということでしょうか?

はたまた、緊張から喋らずにはいられないのでしょうか?

それとも、私が変に勘ぐりすぎなのでしょうか?笑

 

いずれにしろ、人混みが苦手な方は会場の空気に飲まれないよう気をつける必要があります。

イヤホンをして自分の世界に没頭するのもいいですし、

仲の良い同期とまとまって行動するのも良いでしょう。

試験開始までの時間をどのように過ごしたいかで決めましょう。

 

試験会場への入場

試験会場の中には1列になって入場しました。

列の先にはサーモグラフィーカメラが設置されており、

カメラに体の正面を向けるようにしながら通過するよう厚労省の役員から指示を受けました。

接触型の体温計を額にかざされるものと思い込んでいたので少し驚きました。

これは後になって知ったのですが(お恥ずかしい限りです…)、

どのように検温が行われるかはちゃんと厚労省のサイトで公表されていました。

4 試験場入口(原則施設外)にてサーモグラフィカメラによる検温を実施し、37.5度以上の者は再度接触型体温計により検温し、37.5度以上あった場合は、抗原定性検査キットによる検査を実施。検査の結果が陽性となった場合は、受験を認めない。陰性となった場合は、別室で受験させる。

www.mhlw.go.jp

 

寝不足だと自律神経の乱れが影響して体温が上がることがあり、

もし検温で引っ掛かったらどうしようと一抹の不安を覚えていたのですが

あっさり検温をパスできてしまいました。

 

試験室への入室

検温を済ませたらいよいよ試験室への入室です。

扉の前に設置されたアルコールハンドスプレーで手指消毒をしたのち入室しました。

なお、会場到着から試験室入室まで、受験票の確認などの本人確認はされませんでした。

 

試験室は会場ごとにまったく異なるようです。

私の試験会場について話してしまうと身バレの可能性が高まってしまいます。

そこで、地方厚生局が過去に行われた医師国家試験の会場を撮った写真を

ネット上に公開していたのを見つけましたのでそちらを載せておきます。

 

画像1:東北厚生局HPより引用

https://kouseikyoku.mhlw.go.jp/tohoku/kikaku/images/111ishishiken_1.jpg

https://kouseikyoku.mhlw.go.jp/tohoku/kikaku/photoreport33.html

 

画像2:四国厚生局HPより引用

https://kouseikyoku.mhlw.go.jp/shikoku/photo/images/h28kokka1.jpg

https://kouseikyoku.mhlw.go.jp/shikoku/photo/torikumi290306.html

 

座席までは受験番号を頼りに自力で向かいます。

受験番号の書かれた紙が長机に貼ってあるので自分の番号を探して座ります。

座席の配置は先ほどの引用画像のような感じで、長机に間隔を開けて二人が座る形でした。

 

私の席は内側にあり、前後左右にも受験者がいましたが、その中に同級生はいませんでした。

席順は50音順をベースにはしていましたが100%そうではありませんでした。

同じ大学の受験者を遠ざけて配置することで

結託してカンニングなどの不正を働くことを防ぐ意図があると考えたのですが、

隣はもちろん、横一列同級生だったところもあったと後で知り、

席順の謎は迷宮入りしました(誰か知っている人がいたら教えてください笑)。

 

試験開始まで

最初の試験であるA問題は9時30分から開始されるのですが、

8時55分から試験に関する注意事項等の説明が行われるため、

それまでには必ず着席しておくように指示されます。

 

会場入りして自分の座席を見つけたのが8時15分くらいのことだったので、

40分ほど自由にできる時間がありました。

 

席に着いてから初めにしたことは筆記用具などを机の上に準備することでした。

HB鉛筆6本、消しゴム2個、定規1つ、受験票を机の端に並べて置きました。

鉛筆キャップや鉛筆削りは机の上に出してはいけないのでカバンの中にしまいました。

鉛筆削りを試験中に使用することは原則認められてはいませんが、

どうしても使いたい場合は試験官にその旨を伝え許可を得る必要があります。

 

次に腕時計を装着しました。

試験会場に時計が設置されていないことは多いため、腕時計はマストアイテムですが、

電卓機能や通信機能のついている腕時計は使用禁止です。

それと腕時計は必ず身に付けて使用しなくてはなりません

もちろん置き時計も使用禁止となりますが、腕時計のベルトが故障してしまったために

腕時計を置き時計として使用することが認められている受験生を目撃しましたので、

もし何かあれば試験官に尋ねるようにしましょう。

 

道具類の準備が整ったので、場所や雰囲気の確認も兼ねてお手洗いに向かいました。

見た目は小綺麗で不快感なく使用することができましたが、

珍しく男性用便所の前に短い列ができていて

トイレの数は受験者数に対してやや少ないのかなと思いました。

また、洗った手を拭く紙やハンドドライヤーは設置されておりませんでしたので、

日頃持ち歩かない人もハンカチを用意しておきましょう

 

お手洗いを済ませて自席に戻ると

1つ前の席の他大生と、通路を挟んで右隣の他大生をそれぞれ中心として

2、3人ほどの受験生がたむろしていました。

今の私のような”おひとりさま”にとって、このような状況は苦手なものです。

ですが彼らに悪気があるわけでもなく、

みんなで知識の確認をしているだけなので致し方ないです。

そこで、イヤホンを装着して心を落ち着かせることにしました。

もちろんこの時に聴いていたのもアニソンです。

オフラインでも再生できるようにダウンロードしていた曲をランダム再生しました。

いつもアニソンを聴きながら勉強しているのですが、

勉強した内容がその時流れていた曲と共に思い出されることがよくあります。

みなさんにも似たような経験があるのではないでしょうか?

アニソンを聴くことでリラックスすることができただけでなく、

知識が仕舞われた”脳内箪笥”の引き出しの滑りを良くすることもできました。

 

8時55分が近づくほど、試験室に漂う緊張感が強まっていくのを肌で感じました。

あれだけ騒がしかった周囲もすっかり黙りこくってしまいました。

イヤホンがなくても大丈夫な状況になったのでイヤホンを外し、

ついでにスマホiPadの電源を落としました。

スマホ携帯電話は配布された茶封筒の中に入れた状態で机の上に置くように指示されます。

万が一、試験中にスマホが鳴ってしまった場合、スマホはその袋ごと回収されるそうです。

iPadはカバンの中にしまったのでOKです。

 

そのまま試験に向けた最終準備に移りました。

ここでは大事なのはどのような服装で試験時間を過ごしたいのかです。

まず、試験中は自由に服を脱いだり着たりすることはできません

また、膝掛けの利用や脱いだ服を膝にかけることもできません

脱いだ服は座席の背もたれに掛けるのではなく椅子の下に置くよう指示されます。

つまり、休み時間の間に試験中のベストな服装を見つけておくべきなのです。

先ほどの試験室の画像に戻りますが、

画像1のような試験室の場合は暖房の効き過ぎに注意すべきと予想し、

画像2のような試験室の場合は暖房がそもそも付いているのかにもよりますが、

出入口や換気口と座席との位置関係が悪いと冷たい空気が流れてくる可能性があり、

防寒着を着たまま試験を受けた方が良いケースもあると予想します。

※膝掛けは試験会場によってはOKのところがあると聞いたことはあるのですが

使うことは出来ないと思って臨む方が良いと思います。

 

服装を決めた後は机の上に出した鉛筆、消しゴム、定規、受験票の確認を行いました。

ここまでくればあとは時が来るのを待つのみ。

目を閉じて静かにその時を待ちました。

 

説明開始

定刻通り、8時55分から注意事項の説明が始まりました。

途中退出と試験中のトイレに関する説明だけはちゃんと聞きましょう笑。

 

途中退出が可能なのは試験開始1時間後から終了15分前の間であること、

途中退出する際には挙手して試験官の許可を得ること、

その際に問題冊子を試験官に1度預けること、

一度退出したら試験終了まで再入室できないこと、

もし問題冊子の返却を望むのなら試験終了後に試験官に申し出ること。

 

試験中にトイレに行きたくなった場合は挙手により試験官に伝えること、

トイレには一人ずつしか行けないので試験官に案内されるまで自席で待つこと、

席を立つ時には問題冊子やマークシートは裏返しにしておくこと。

 

以上のことさえ押さえておけば、あとは常識があれば大丈夫です。

この説明タイムでは、とても退屈な時間を過ごすことになります。

しかもこれがあと5回繰り返されるため、

「早くしてくれ!いい加減にしろ!」というイケナイ感情が生まれてきてしまいます。

この説明時間を短くしてくれれば拘束時間も短くて済むし、

受験生の負担も少しは減るのですがね…。

 

問題冊子・マークシートの配布

長い長い説明も終わり、ようやく問題冊子とマークシートが配布される時間です。

 

はじめに、本人確認がなされます。

試験官が受験者一人一人を確認しに回ります。

試験官が自分のもとに来たらマスクを外して内側が見えるように広げます。

素顔とマスクを用いた不正行為の有無をチェックするためです。

試験官は受験者の写真が貼付された受験票をもとに本人確認を行いますが、

受験者が机に置いた受験票はカーボンシートによる”写し”です。

 

次に、机の上に出してある筆記用具やスマホを入れた茶封筒のチェックが行われます。

 

ティッシュを置いておきたい人は入れ物から出して裸の状態にしておきましょう。

そうしておけば試験官がチェックしてくれます。

 

それから、マークシートから配布されます。

模試を受験したことがあれば見たことがあると思いますが、

マークシートには上から下にマークしていくもの(様式①)と

左から右にマークしていくもの(様式②)の2種類あります。

2種類ある理由はカンニング防止のためだと言われています。

縦1列で同じ様式のマークシートが配布され、

隣の列の受験者のものとは異なる様式のものが配られる仕組みになっています。

模試ではセクションごとに様式が入れ替わりますが、本番ではずっと同じ様式が配られます。

全受験者分が配り終えられると

試験会場や受験番号などのマークの仕方についての説明を受け、その後それらを記入します。

試験終了後のマークシートの訂正は、たとえ氏名や受験番号であっても許されません。

試験官の指示をしっかり聞いた上で慎重に記入しましょう。

 

そして、問題冊子と別紙(画像集)が最後に配布されます。

説明タイムも長かったですが、配布にかかる時間もものすごく長く感じました。

 

全てが配られ終えてから試験開始時刻まで約5分くらいの間があったのですが、

その間は目を閉じて精神統一を図っていました。

そろそろ開始かな?と思っていると、

「A問題は全部で75問あり、1ページから59ページまで…」というアナウンスが入り、

試験開始の合図を今か今かと待っていただけにとても驚かされました。

 

そのアナウンスから10数秒後、ようやく試験開始の合図がなされました。

せっかくの瞑想が台無しとなったスタートでした。

 

A問題開始!

A問題は、「各論」であり、全部で75問あります。

制限時間は2時間45分です(9時30分〜12時15分)。

※医師国家試験がどんな試験なのか知りたい方は私の過去の記事をご参考ください!

med-hayasaka.hatenablog.com

 

問題の詳細な振り返りはまた回を改めてそれ専用の記事を上げたいと考えています。

当初はこの回に含めるつもりでしたが分量がとてつもないことになり、

読者の皆さんへの負担が大きくなってしまうのでやめました。

というわけで今回は試験中の心情を中心に書いていきたいと思います。

 

第1問から第14問までは一般問題が続きます。

模擬試験では各予備校がこぞって難しい問題を並べていた印象がありました。

本番もそうならないか内心ひやひやしていたのですが、

比較的簡単な内容の問題ばかりで安心しました。

 

予備校は模試を難しくして「このままじゃヤバいかも⁉︎」と受験生に思わせることで、

動画講義やテキストなどを購入させようと企んでいる説を推しています。

これだけでなく、予備校はメルマガや学年代表を介したPR活動を頻繁に行うことで

「模試受けた方が良いかな?みんなやってるなら私も講座取らなきゃダメ?」

という気にさせて自社のサービス・商品の購買を迫ってきます。

 

予備校に大変お世話になっている受験生の方々には大変申し訳ないのですが、

「ビビって損したわ!」と予備校に対する勝手な怒りを覚えながら解きました。

 

(脱線はこのくらいにしておいて、)

臨床問題では過去回で既出のテーマが散見され、

過去問演習しておいてよかったなと思った問題が結構あったように感じられました。

好酸球性食道炎の問題など、模試が予想を的中させたものもいくつかありました。

ただ、模試を3社(MM、TECOM、MEC)受けた私から言わせてもらえば、

模試を受けていなくても別段困りはしなかったと思います。

たこつぼ心筋症が正答となる問題の初登場に驚いたり、

国試で高齢者の潰瘍性大腸炎が出題された前例が思い当たらず困惑したり、

β遮断薬が正答だと分かっていても禁忌が怖くてしかたがなかったりしました。

 

75問すべてを解き終えたのが試験開始1時間30分後くらいでした。

模試でもいつもこのくらいのペースだったので順調さが窺えました。

 

ここからは各問題の自己採点に取り掛かりました。

マークミスや重要事項の見落としがないかを確認しながら

絶対に合っている自信のあるものには◯をつけていき、

その◯の数を数えて予想される最低得点率を計算しました。

大学の試験や模試では、この最低得点率を途中退出する目処として利用していました。

国試では移動を同期と共にしなければならないこともあり、

途中退出しないことにしていたので、◯のつかなかった問題に限定して解き直しました。

 

解き直しを終えても終了時刻まで30分以上残っていたので、

マークミスをしていないか、選ぶ選択肢の数を間違えていないか、

禁忌肢を選んでいないかをもう一度確認しました。

 

最後の15分間は昨夜の睡眠不足を少しでも補おうと目を瞑って体力回復に努めました。

 

A問題の総評ですが、問題の難易度が両極端な75問だったなという印象でした。

8割以上の正答率が予想されるくらいの簡単な問題が多く、

正答率が5割に満たないであろう難しい問題も増えたように感じました。

そして、その中間くらいの難易度の問題が減ったようにも感じました。

 

小休止

問題の詳細な振り返りを後回しにしてもかなりの文量になってしまったので

試験1日目編はここで一旦区切ることにしました。

ここまでをPart1とし、続きはPart2以降に書いていきますのでよろしくお願いします。

#19 第117回医師国家試験受験記 ①試験前日編

The day before the examination

 

こんにちは、スミシー医ハーサカです。

 

前回お知らせした通り、しばらくは「国試受験記」としての活動を展開していきます。

その第1回目である今回は、国試前日について書いていきたいと思います。

どうぞ最後までお付き合いいただけると嬉しいです。

 

 

はじめに

私の試験会場は自宅からは通うのはしんどいくらいに離れていたので

試験前日は会場近くのホテルで過ごしました。

私と同様に、前泊する予定でいる方にとって参考になればと考えております。

また、試験会場が自宅から近く外泊の予定のない方にも、

何か得られるものがあるような受験記を心がけて執筆していくつもりです。

それでは最後までお付き合いください。

 

ホテルまでの移動

ホテルまでの移動は同期と一緒でした。

 

医学部では臨床実習が始まると、同期が一堂に会する機会は極端に少なくなり、

大事な説明会や模擬試験くらいとなります。

そのため、同期が大勢集まるようなイベントがあれば、

友人らとの久々の再会に興奮を隠せないのか、

その場はいつも決まって話し声や笑い声で溢れていました。

 

ところがホテルまでの道中は小声であっても耳立つほどに静かなものでした。

みんなの焦燥や不安、緊張といった感情により、

センター試験や二次試験の会場で感じたあの独特な雰囲気が醸成されていました。

コロナ禍ということも相まって、お互い干渉することを必要最低限に抑えており、

各々一人の時間を過ごしていました。

 

私はイヤホンを装着してお気に入りのアニソンを聴きながら

スマホアプリで遊んだり必修の過去問に目を通したりしていました。

ちなみに最近よく聴くアニソンは「ぼっち・ざ・ろっく!」の曲です。

もちろん最推しの作品であるかぐや様は告らせたいの曲もヘビロテです。

 

ホテルまでのルートはプライベートでもよく利用していたのですが、

この日はいつもより移動に時間がかかったように感じました。

国試に対する焦りやプレッシャーはあまり感じてはいないつもりでしたが、

心の平静を保つのがいかに難しいのかを改めて知りました。

 

ホテルに到着

ホテルに着いたのは16時ごろでした。

宿泊したホテルは一般的なビジネスホテルでしたが、

外観も内装もそれなりに年季の入った建物でした。

 

ホテルの手配は同期の分もすべて国試対策委員と呼ばれる方々がしてくれていたので、

彼らからルームキーを受け取るのみでチェックインは完了しました。

(国試の前日と当日の合わせた3日間は国試対策委員に大変お世話になりました。)

 

用意された部屋には、シングルベット、テレビ、冷蔵庫、スタンドライト付きデスク、

お風呂とトイレと洗面台が一緒の”3点式ユニットバス”が備え付けられていました。

所々リノベーションがなされており、

ユニットバスが新調されていたことはとても嬉しかったです。

また、スタンド付きデスクも便利なもので、食事や持ち物の整理に重宝しました。

 

ホテル到着から夕食までの過ごし方

持ってきた荷物を拡げ終わると、夕食の時間まで小1時間ほどありましたので、

飲み物などを買うために、近くのコンビニまで出かけることにしました。

 

コンビニまでの距離は徒歩で10分くらいでした。

実のところ、コンビニに行かなくても欲しいものは手に入れることは出来ました。

それなのになぜ、寒い中わざわざ外出することにしたのかと言いますと、

移動中のピリピリとしたあの空気はボディーブローのように効いてきており、

ホテルの個室で一人っきりでいてもどこか心苦しかったのです。

普段なら嫌でしかない冬の冷たい風も、この時だけは心地よいとさえ感じられました。

コンビニまでの道は新鮮なものであり、これもまた良い気分転換になりました。

 

国試の勉強とは鬼のような反復作業であり、そこに「新鮮」の2文字はありません。

むしろ、新鮮に感じる知識があるというのは学習が不十分であることの証左です

 

ちなみにコンビニでは、サントリー天然水の2Lペットボトルを1つ、

伊右衛門の500mLペットボトル1つ、味の素 クノール スープDELI2種類、

C1000 ビタミンレモン1瓶、リポビタンD1瓶、などを購入しました。

選ばれたのは綾鷹ではなく伊右衛門でした。

コーラはコカコーラ派ですが、お茶はサントリー派です笑。

 

夕食

コンビニから戻ると程なくして夕食の弁当が委員から配布されました。

弁当のクオリティーはなかなか高いもので、美味しくいただきました。

なお、どんな内容の弁当だったかはぶっちゃけ覚えていません。

弁当ばかりの3日間を送ったので、いつ何を食べたのかが曖昧なためです。

決して認知症だからではありません。

桜・猫・電車?100 93 86 79 72…?そ、そんなの余裕ですよ…。

 

料理するのが好きでいつもは自炊しているため、弁当を食べることは滅多になく、

弁当で食事を済ませたのは臨床実習で高級弁当をいただいた時くらいでしょうか?

食品の買い出しから食器を洗い終えるまでに最低でも2時間はかかるのですが、

おかげで夕食を終えても20時を回っておらず、時間的な余裕を得ることができました。

これからは弁当やお惣菜を利用する機会をもうちょっと増やそうかな?

と思ったくらいには楽なものでした。

でも、料理は出来立ての状態が一番美味しいですし、

好きなものを好きな様にアレンジできるから自炊はやめられないんですよね〜。

 

夕食後から就寝まで

試験1日目の朝は7時半ごろには試験会場に向けて出発することになっていたので、

試験前夜は22時までにはベッドに入り翌朝6時に起床する予定でいました。

夕食を早く済ませることができたので、長湯することにしました。

持参した入浴剤(この日は白桃の香りがする入浴剤でした)を使用し、

疲れを癒やして心身ともにリフレッシュした状態で試験を迎えられるようにしました。

洗髪剤もホテルに備え付けられたものではなく、

持参したちょっと良いやつの使い捨てタイプのものを使用しました。

ホテルの備品を使うと髪がキシキシしてご機嫌やや斜めとなってしまうのですが、

今回持ってきたシャンプー・コンディショナーは当たりでした。

お湯の温度が少々ぬるくて物足りなさを感じはしましたが、おおむね満足でした。

 

ちょっとした工夫をすることでできる限り万全の状態で本番に臨めるように

努力することはとても大事なことだなとつくづく思います。

試験当日編で詳しく語ろうと思うのですが、

国試本番では体調やメンタルといったことの方が成績を大きく左右し得るからです

 

お風呂からあがり、寝支度を終えたのは21時半ごろのことでした。

備品のドライヤーの風力が弱くて髪を乾かすのに時間がかかってしまったのは

少々残念でしたがここまでほぼ計画通りに過ごすことができました。

22時までの残り30分は明日の準備に充てました。

正直な話、実力をちゃんと発揮できれば必ず合格する自信があったので、

この日はもう勉強しないことにして、コンディションの調整に全力を注ぎました。

ストレッチをして心身の緊張をほぐし、試験会場へ持っていく荷物の最終確認を終え、

ベッドに入り、スマホのアラームを6時に設定し、部屋の明かりを消しました。

 

国試の悪魔

予定通り22時に就寝した私でしたが、アクシデントに見舞われてしまったのです。

私の身に何が起きてしまったのか?

結論から言いますと、2時を過ぎてもまったく眠れなかったのです。

 

原因はいくつかあります。

その1つは、エアコンの設定温度が集中管理されていたことです。

運転の切/入と風量の変更しかできず室温を自由に変えられないことは

初めて入室した時から知っていましたが、寒くも暑くもなく適温だと感じていました。

しかし、布団の中にしばらくいると暑くて暑くて仕方がなくなってしまいました。

布団をひっくり返すことで温められた内側の空気を外に逃したり、

外気を取り込んで室温を少し下げたりするなどの策を講じてみました。

けれどもその甲斐なく眠ることは出来ませんでした。

次に、エアコンの運転を切ってしまうことにしました。

タイマー機能はもちろんないので、朝方部屋が冷えるリスク覚悟の上の決断でした。

ただ部屋の気密性が思ったよりも高く、室温は一向に下がりませんでした。

再び換気をすることで室内を冷やす方法も考えたのですが、

朝寒くなりすぎてしまうことが怖くて出来ませんでした。

結局暑さに体が順応することは最後まで叶いませんでした。

温度の手動設定やタイマー機能が使用できたのなら快眠できたのかは不明ですが、

ここまで寝苦しさを感じることはなかったでしょう。トホホ…。

 

2つ目の原因は、色々な音が耳障りだったことです。

ベッドのすぐそばにある冷蔵庫がぐわんぐわんとうるさかったのです。

それから排水管の中を流れる水の音が断続的に聞こえてきました。

隣室からは何も聞こえてこなかったのは不幸中の幸いでした。

 

そして3つ目の原因は緊張でしょうか。

勉強量は十分であり模擬試験の結果からも不合格になってしまう可能性はとても低く

絶対に受かるという自信と精神的余裕をもってここまで来ていたはずでした。

 

国試の第一セクションであるA問題は9時半開始であり、

その小1時間ほど前より厚労省の方のありがたい長い長いお話をいただけるので、

8時台には身体をしっかり覚醒させて頭をスッキリとさせている必要がありました。

 

ところが普段から寝つきが悪く眠りにつくまでに数時間かかることがよくある上に、

いつもは2〜3時に寝て10時くらいに起きる遅寝遅起きの生活をしていました。

そこで国試の1ヶ月ほど前より生活習慣の改善に取り組み始め、

12時就寝6時起床の生活リズムへの矯正を行なってきました。

矯正はうまくいっていたので試験前夜もすぐに眠れると思っていたのですが、

知らず知らずのうちに国試へのプレッシャーを感じてしまっていたのでしょうか。

 

センター試験や二次試験の時の方がよっぽど不安を感じていたにもかかわらず

ぐっすり眠れていたはずなのに、一体どうしちゃったんでしょうね…?

 

国試1日目の朝

寝るのが苦手な一方、起きたい時に起きることは得意であり、

どんなに眠れない日であっても寝坊はこれまで一度もしたことはなく、

試験当日の朝もちゃんと6時に起床することができました。

 

後輩の皆さんへのアドバイス

試験前日の話はこれで以上となります。

 

ここからは試験前日のことに関して来年度以降に国試を受ける方に

伝えておきたいことを綴っていきます。

 

1. 前日は何を勉強したら良いのか? 

欲張らないことを意識しましょう。

 焦りや不安から色々な参考書を見てしまいたくなる気持ちは抑えましょう。

 各科の最頻出・最重要な事項のみに目を通すような広く浅い知識確認にしましょう。 

・具体的なことを言えば、プリントした究極MAPを見ている人が多数派でした。

友人同士で出し合った問題が本番にも出題されるというあれは割とマジです。

 私は友人を質問攻めにしたのですがその中から結構出題されていて、

 自分と友人の合格がグッと近づいたように感じました(試験中にね笑)。

・私のように勉強しないのも1つの手だと思います。

 

2. 前日はどのように過ごせば良いのか?(勉強以外のことで)

「試験前日」としてではなく、「直前期のラスト1日」として過ごしましょう。

 明日は本番だからと何か変わったことをする必要はありません。むしろ禁忌かも。

 私を例に挙げれば、前日もそれまで通り「12時就寝6時起床」でよかったのです。

体力面でも万全で本番を迎えられる様にしましょう。

 国試は思った以上に体力勝負の側面が強いです。

 会場の独特の雰囲気や落ちてはならないというプレッシャーなどのために

 同じタイムスケジュールで実施した模擬試験の時よりはるかに消耗します。

・当然ですが”食あたり”のないような食事を取るようにしましょう。

 寿司とかは試験が終わってからにしましょうね!

「勉強は1日にして成らず、心身は1日にして崩る。」肝に銘じておいてください。

 

3. 前泊する上でのポイント

宿泊費を安く済ませることよりも快適に過ごすことを優先しましょう。

 ユニットバスが快適であること、勉強するのに適していること、

 道路や線路からの騒音に悩まされないこと、コンビニが近いことなど、

 自分にとって好条件な施設を選ぶことをお勧めします。

・試験会場へのアクセスは入念に調べておきましょう。

 万が一交通機関が麻痺してしまった場合の行き方も要チェックです。

 国試は例年2月に実施されるわけですから大雪の可能性がある年は注意です。

・私は洗髪剤や入浴剤を持参しましたが、

 あると気分がアガるようなものを持っていくと良いと思います。

・室温の調節も大事ですが、湿度の調節も大事です。

 もし加湿器や空気清浄機のない部屋であった場合は、

 濡らしたタオルをハンガーにかけて部屋干しすることで乾燥を防ぐことができます。

 

4. 人との付き合い方

一緒に受験する同期との関わりは必要最低限に抑えましょう。

 すべての受験生が心に余裕を残せているとは限りません。

 普段ならなんてないことも気に障るし気に障らせてしまいます。

 可能な限り単独で行動することを私はお勧めしますが、

 一人は心細いという方は本当に気心知れた人とだけ一緒にいるようにしましょう。

「触らぬ神に祟りなし」です。

 

次回予告

次回は試験1日目についての受験記を書こうと思っています。

新生活の準備等のためにいつ公開できるかはわかりませんが、

出来るだけ早く仕上げますのでそれまでお待ちいただけると幸いです。

それでは今回はここまでで失礼いたします。