スミシー医ハーサカのブログ

医学部に入学してから卒業するまでのたわいもない話

#11 人生における勝者とは? -医学生って”勝ち組”なのか-

The winners in life

こんにちは、スミシー医ハーサカです。

 

新たなことに挑戦!ということで始めたブログ活動ですが、

Twitterやnoteでもアカウントを作って記事の投稿宣伝を行う様になり、

”ブロガー”として半人前くらいにはなれたでしょうか?笑

 

世の中には様々なジャンルでブログ活動をなさっている”先輩方”が

ごまんといらっしゃいますが、そういった方々の中に私のブログを

見てくださっている方がおられると最近気づきました。嬉しい限りです!

また、ブロガーでもなく医学生でもない方々にもお越しいただいています。感謝です!

 

というわけで、今回は、トピックは医学部のままで、

医学生ではない方にも読んでいただけるような内容でお届けしたいと思います。

 

それでは参ります!

 

 

・医学部を目指すということ

過去の記事を読んでくださっている方はご存知かもしれませんが、

私は祖父の病気を理由に医師を志す様になりました。

私が保育園〜小学生低学年の頃より、病気に苦しむ祖父の姿を見てきました。

幼心ながらお医者さんになって祖父の病気を治してあげたいと思いました。

 

それからごくごく普通の学生生活を送り、

将来の進路について本格的に考えなければならない時期がやってきました。

それまで親の言う通りに進んできた人生でした(別に不満はありませんでした)が、

「医学部を受験する」とあっさり決めてしまいました。

私の中ではこれしか考えられなかったという感じでした

医学生となって数年後、「あんたは誘導されたんやで」と親に言われました。

私の人生、主体性なくないですか?何も自己決定してないやん笑)。

 

受験勉強は大変でした。

前提条件として、通学に片道8km、自転車で30分ほどかかります。

また、運動部に所属していたので毎日19時以降の下校となりました。

帰宅時すでに20時近く、夕食や入浴を済ませると、早くても21時です。

そこから授業の予習復習を行います。

それが終わってからようやく入試対策のための勉強を始めます。

これらすべてを終えた時には夜の2時は越えています。

学区が広いこともあってかどの部活も基本的に朝練はないので、

8時半くらいから始まるホームルームに遅刻しないよう家を出ます。

そのため、7時くらいには起床しなければなりません。

つまり平日の睡眠時間はだいたい4〜5時間です。

この生活を高校3年生の夏に部活動を引退するまで続けます。

 

引退後は17〜18時くらいには帰宅できるので、

就寝までの、夕食と入浴を除いたすべて時間を勉強に費やします。

部活動のために体力を回復させる必要がなくなったので

朝の3〜4時くらいまで勉強しても平気でした。

 

当然、授業中は居眠りをしま…せん!私は自他共に認める真面目人間です。

提出物はすべて期限までに出し、体調不良以外の理由で学校を休みません。

そういったところが認められ、何度も学級委員長を務めました。

小学校から高校まで成績がオール5だったのは私の努力の結晶です!(褒めて褒めて)

部活動だってそうです。こうした努力の甲斐あって、

部活動では3年間レギュラーとして出場したりキャプテンを任されたりしました。

 

自慢はこのくらいにしておいて、

これほどのバイタリティがあっても受験期はとてもしんどいものでした。

大学入試とは何が出題されるのか、教科と出題範囲以外に何もわかりません。

さらに医学部受験には、センター試験(今は共通テストですか?)で

最低でも9割取らないといけないとか(※二次試験だけの大学もあります)、

みんなが正解できる問題を取りこぼしてはいけないとか…

難しい問題を解ける学力の高さに加え、

どんな問題が来ても大丈夫という完成度の高さも求められます。

というわけで、受験勉強はやり足りないことはあってもやり過ぎることはないのです。

そんな終わりのない戦いに、みなさん耐えられるでしょうか?

 

私の場合は、高校生最後の夏休みは返上して、家族が出かけている中、

一人家で黙々と何時間も勉強していました。

睡眠と食事と入浴以外のすべての時間を勉強に費やしました。

もちろん、ハロウィンもクリスマスもお正月もすべて返上です。勉強するのみです。

(初詣に行き合格祈願したのを忘れていました。嘘つきました、ごめんなさい。)

 

正月過ぎればセンター試験まではあっという間です。

センター試験当日は緊張と寒さからくる手の震えで

問題冊子を包むフィルムを破るのにとても苦労したのを覚えています。

センター試験が終わり、極度の緊張状態から解放されたのも束の間、

センター試験の自己採点で一喜一憂したのちに、

予測される得点で今後がプチ地獄か地獄かが決まります

(天国か地獄ではありません。受験期に天国なんてないです、はい。)。

 

数週間の生き地獄を越え、いよいよ本番の二次試験。

生きるか死ぬかもう一年頑張るかの大勝負!緊張でペンが動きません☆

医学部の場合は筆記試験に加えて面接試験もあります。

口から出るのは志望動機ではなく、心臓でした(バックバクのドッキドキ。)

 

余談ですが、医学部だけ面接試験があるのおかしくないですか?

医学部には変な人たくさんいますよ?

面接で学生の何を見てるのか、今でも疑問です。是非なくしてください。

あ、それだと超ヤバい奴が医学部に来ちゃいますね…

 

すべての試験が終わり、合格発表がなされる前に卒業式を迎えることになります。

これもやめてくれませんかね?笑 

大学に進学できるのか決まっていない状況で、正直、心から卒業を祝えないです。

大学の掲示板に自分の受験番号が載っているのを目にするその瞬間まで

心が休まる瞬間なんてこの小心者にはありませんでした。

 

私の場合、幸運にも医学部に現役合格することができました。

ようやく肩の荷がすべて下りました。

大学生になるまでのひとときは、それはそれは最高でした。

 

しかし、医学部は甘くはなかったのです…

 

 

医学生になるということ

大学生活がスタート!

夢にまで見たキャンパスライフに胸躍らせながら、医学部での6年間を歩み始めます。

高校生までとは違い、色々なことが私たち大学生を待っています。

興味のあることを学ぶことができ、サークル活動にアルバイトもできる様になります。

大学の長い休暇を使ってたくさんのワクワクを経験することもできます。

 

しかし、そんな楽しいことだけではありません。

大学生は一人の大人として扱われます。

自分に関するあらゆることは自分で責任を取らなければいけません。

高校生までは学校の先生や保護者が面倒をすべて見てくれるので、

学生は自分のやりたいことに集中することができました。

しかし、大学生になると種々の手続きやスケジュール管理などは

全部自分一人で行わなければなりません。

いつまでもお子様気分でいると、

履修登録で失敗したり出席必須の講義を忘れていたり、

取り返しのつかない過ちを犯したりしてしまうでしょう。

 

さて、医学部についての話をしましょう。

(もしかしたら他の学部にも当てはまるかもしれませんが、そこはご勘弁。)

医学部では、多くの学生が「留年」の二文字に怯えながら大学生活を過ごしています。

なぜなら、他の学部よりも進級判定が厳しいからです。

一般的に、試験に落ちてしまった場合、再試験を受けることができます。

再試験にも合格できなければ「落単」となってしまいます。

そして、獲得した単位数が各大学の定める基準に満たなければ留年となります。

他の学部であれば、物によっては単位が足りなくてもある一定の学年までは進級でき、

それまでに必要な単位を揃えていればよいとされることが一般的だと思います。

しかし、医学部では学年ごとに取得しとかねばならない単位がいくつもあり、

それらが足りないまま進級することはできないとされおり、

中には一度試験を落としただけで留年となってしまうような恐ろしい大学があるとか。

 

肝が据わっているのか、実家が太く留年を恐れていないのか、

それとも余裕で合格する自信があるのか、

試験が近いにもかかわらず勉強せずに飲み歩いているような学生もいますが、

試験がストレスとなって体調を崩したり精神面で不調をきたしたりしてしまう人も

少なくないというのが実情です。

 

心身が蝕まれるのは試験だけではありません。

だいたい2年生で受講する解剖実習や

4年生あるいは5年生から始まる臨床実習などの実習も中々にストレスフルです。

原因は多岐にわたります。

朝早く遅くまで拘束時間が長いこと。

長時間同じ姿勢を取らされ、会話や飲食もできない状況下に置かれること。

一緒にいたくない人と同じ実習班になってしまうこと。

パワハラモラハラ、時代錯誤も甚だしい老害に、サイコパス

入学当初のカリキュラムに大きな変更がなされ、それに振り回されることもあります。

「あれ?これが俺/私のなりたかった医師なの?」と思ってしまうかもしれません。

 

6年生が近づいてくると初期研修先を決めるためのマッチング活動を開始しますが、

これも結構ストレスものです。

「医学部って就活しなくてもいいんじゃないの?」と思っている人もいるでしょうが、

このマッチング活動はいわば医学生版の就活です。

研修先として考えている病院にアポをとって見学に行きます。

採用するのに相応しい人材かどうかチェックされていないか周囲の目に怯えながら、

研修の内容、お給料、休日の暮らし方などなど知りたい情報を聞き出します。

研修医だけでなく院長や部長といった偉い方との面談が控えていることもあります。

見学が終わればすぐさまお礼のメールを送ります。

これを何度も繰り返します。

採用試験が近くなれば、本命の病院に最後のアピールに行くこともあります。

大学にもよりますが、マッチング活動のための期間は設けてくれないので、

実習の合間を縫ったり実習をサボったりして見学に行かないといけません。

病院によっては事前課題を課してくるところもあり、

実習や迫る卒業試験や国家試験の勉強をしながら、

履歴書・願書とともに事前課題を仕上げなければならず、骨が折れます。

当然、採用試験も病院見学同様、実習や試験の日程と相談しながらになります。

 

医学部では心身が休まる時があまりありません。

常に何かに追われながら、別の何かをこなしていかなければなりません。

万が一、何かに足を引っ張られようものなら、

それが原因でズルズルと落ちるとこまで落ちてしまいます。

 

人の命を救うのはそれほど難しいということなのでしょうか?

医学部を卒業することさえ容易ではありません。

人々の病気や怪我を治したくて医学部に入った自分が心身を損ねてしまうなんて

おかしな話だと思いませんか?

 

 

・医師は”勝ち組”

よく医師は”勝ち組”だと言われます。

経済面から見ると確かにその通りかもしれません。

また、職業を聞かれて医師と答えると明らかに周囲の反応が変わります。

これは医学生にも当てはまります。

大学生ですと答えた時よりもすごいねえ、偉いねえとチヤホヤされやすくなります。

世間様の医師に対するイメージのお陰でしょうか?

それとも過酷な受験を乗り越えたことへの讃美からでしょうか?

いずれにせよ、医学生であることを悪く言われたことは、私はまだありません。

 

しかし、先ほどチラッと話したように、

医師という職業の実情は世間のイメージとは異なることが往々にしてあります。

医学の知識や技術に優れ、なおかつ人徳も備わっているような、

聖人ばかりでは決してありません。

地位や権力、実績の上にふんぞり返っている傲慢な医師もいますし、

自分のことあるいは金やモテることにしか頭に無いような医師もいますし、

他人の気持ちの分からないひとでなしの医師もいますし、

激務に追われてすっかり荒んでしまった医師もいます。

真っ当な医師ほど損をしているのでは?と思ってしまうことがあります。

上司や同僚、他の医療従事者、患者やその家族に恵まれなかったために、

”勝ち組”のイメージとはかけ離れてしまった医師も少なく無いと思います。

「金はあるけど、〇〇はない。」

お金と引き換えに何か大切なものを失いかねないのが

”勝ち組”と呼ばれる医師の正体なのではないでしょうか?

 

 

・それなら医学生はどうなのか?

医師は”勝ち組”ではないかもしれないのであれば、

医師の卵である医学生も”勝ち組”には含まれないのでしょうか?

 

ここでその答えを出してしまうのはとても難しいことなので遠慮したいところです。

 

先ほど話したように医学部の6年間は決して楽なものではありません。

医学部を卒業した先に、明るい未来が待っているとも限りません。

 

とはいえ、医学生の時点で将来を悲観するのは時期尚早だと私は考えます。

少しずつですが世の中は変わりつつあります。

多様な生き方、価値観、考え方が認められるようになってきました。

医師の世界でもそうなることを大いに期待しています。

 

医学部に入り、医療界の知りたいことも知りたくなかったことも知りました。

医師になることで得られることも失うかもしれないこともわかりました。

それでも医師になりたいという気持ちに変わりはありません。

何年も前から望んでいた医師にもう少しでなることができるのです。

夢や希望を叶えられたのならそれだけで十分”勝ち組”だと信じたい。

そして、医師を目指して頑張っていた頃の初心を忘れずにいることができれば、

”勝ち組”であり続けることができると願いたい。

心が折れそうになった時はいつでもこのブログに戻ってこようと思います。

 

 

・誰だって”勝ち組”になれる

私の考え方では、誰しもが”勝ち組”になることができると思います。

何も医師を目指す必要はどこにもありません。

自分の本当になりたいものやりたいことに向かって直向きに努力すれば良いのです。

 

もし、自分の子供が医師になりたいと言い出したらどうするか?

まだ私自身医師として働いたことがないのでなんとも言えませんが、

今の私のところに到達するまでも中々に険しい道のりでしたから、

自分の子供には同じような目に遭ってほしくはないなあとは思いつつも、

それが我が子の望んだことであれば、

親としてそして先輩として、温かく見守ってやりたいと思います。

 

 

・最後に

なぜ今回、「人生の勝者」などというテーマで記事を書こうと思ったのか?

 

最近の話だが、両親が親戚に対して、「息子は医学部に行ってます」と答えると、

その方から「あらまあ偉いわね〜うちの息子とは大違いだわ」と言われたそうだ。

私は「それほどまでに医学生とは特別な存在なのだろうか?」と疑問に思った。

 

うちの祖父も私が医学部であることを近所の方々に自慢して回っていたと聞いた。

小学校や中学校の同級生にも「医学部行ったの?すげー」と言われる。

祖父の自慢の孫になれたことは素直に嬉しいし、感心されるのも正直嬉しい。

しかし、何か違うような気もした。

 

これまで様々な人と関わってきて、「立派だな、見習いたいな」と

思わされるような素晴らしい人に何人も巡り合ってきた。

そんな彼らだが、みんながみんな医師あるいは医学生ではない。

ごく普通のサラリーマンだったり、土木業の方だったり、飲食業の方だったり、

あるいは工学部の学生だったり、バンドマンだったりと、本当に色々な人だった。

彼らに共通しているのは、今の自分に誇りを持って今を精一杯生きていることだ。

私の目には彼らは輝いて見えた。彼らこそ真の”勝ち組”だとそう感じた。

 

みなさんも、肩書きや置かれている状況などにとらわれず、

自分を大切にし、自分を愛し、そして自分を信じて、

必死になって今目の前にあることに取り組んでみてください。

 

 

            「幸運は用意された心のみに宿る 」

        " le hasard ne favorise que les esprits préparés "

                           

                          Louis Pasteur

#10 CBT9割超えの現役医学生が教える「CBT勉強法」 Ver. 2

Aim high!

こんにちは、スミシー医ハーサカです。

 

ブログ数がとうとう2桁目に突入しました!

ここまで続けられたことにひとまず安堵しております。

 

 

・はじめに

私の10個ある記事の中で、最もアクセスしていただいているのは

#06の「CBT勉強法」の回でした。

 

med-hayasaka.hatenablog.com

 

正直なところ、ここまでCBT勉強法に関心が寄せられるとは思わず、

そうだと知っていればもっと詳しく書けばよかったと少々後悔しております。

 

そこで、Twitterにて、CBT勉強法についてみなさんが何を知りたいのか

アンケート調査を実施してみました。

このブログを開始したのと同時に開設したTwitterであり、

他の方がなされているアンケートほどの回答数は得られはしませんでした…

しかし、わざわざ回答してくださった親切な方々への感謝の気持ちとして、

小生なりのCBT勉強法のエッセンスを少しでもみなさんにお伝えするべく、

CBT勉強法についてより詳しく書かせていただきたいと思います!

 

 

・私が実践している試験に向けた勉強法

 私の試験勉強のポイントは以下の4点です。

①生理学や解剖学といった基礎医学をベースとした疾患や病態の理解に努めます。

 

②その理解の上に、それぞれに特徴的な症状や検査所見、治療法、合併症…といった試験で問われやすい知識を上乗せしていきましょう。

 

③そして時間に余裕がある時にガイドラインや論文などの文献を利用することでこれらの知識を補完していきます。

 

④一緒に勉強する仲間を作りましょう。そして、彼らに教えることで知識をさらに定着させます。また、彼らから教わることも多いのでグループ学習はおすすめです。

 

 これらの中で一番推したいポイントをあげるとすればポイント①でしょうか?CBTと国試では出題範囲が異なります。CBTでは、いわゆる基礎医学と呼ばれる分野からの出題が多いです。この基礎医学は、専門用語の多さやイメージするのが難しいことなどの理由から、受験生からは敬遠されがちな分野です。しかし、生理学や解剖学などをしっかり勉強しておくことは、CBTのみならず、医学の勉強をする上でとても強みになります。基礎医学を疎かにしていても合格するのに十分な点数を取ることは可能でしょうが、時間に追われて試験に間に合いそうにない!という危機的状況でないのでしたら、基礎医学を丁寧に勉強されてみてください。ポイント②で勉強する内容の理解度が高まっていることを自覚できると思います。

 ポイント④は実践されている方も多いのではないでしょうか?個人で勉強することにも当然メリットがあり、学習内容によっては一人で黙々と頑張る方が良い場合もあります。しかし、医学部生活では色々な人との繋がりを有していた方がさまざまな面で有利となり、試験もその一つです。

 

 ポイント③はこの中で一番医者っぽいのではないでしょうか?笑 医学は常に進歩していますから、常に最新の知見を手に入れていくことが重要になります。私たち学生にとっては、医学の基礎を身につけることの方が優先ですから、余裕がある時で構わないです。ですが、出題頻度の高い疾患や罹患率の高いメジャーな疾患等では、最新の知見をもとにした出題も稀ではないので、試験対策の観点からでも意義のあることだと考えます。なりたかった医師が実践していることを自分もやれるわけですから、勉強へのモチベーション向上にもつながるかもしれませんね。

 

 

・高得点を目指す方法

アンケートで得られた貴重のご意見の中で最も多かった、

「高得点を目指す方法」についてお話しします。

 

ここでの高得点は90%以上の正答率として話を進めさせていただきます。

90%以上の正答率を得るためにはモデルコアカリキュラム A〜Fの6領域の全てにおいて9割以上の問題に正解しなくてはなりません。

各領域の概要と目指すべき正答率を以下に示します。

  • A領域:医師として求められる基本的な資質・能力 ➡︎ 可能な限り100%に近く
  • B領域:社会と医学・医療 ➡︎ 90%以上
  • C領域:医学一般 ➡︎ 90%以上
  • D領域:人体各器官の正常構造と機能、病態、診断、治療 ➡︎ 95%以上
  • E領域:全身に及ぶ生理的変化、病態、診断、治療 ➡︎ 95%以上
  • F領域:診療の基本 ➡︎ 90%以上

 A領域は一般的な倫理観を持っている人であれば高い正答率を得られるはずです。基本事項ですから絶対に落とさない!という強い意気込みで臨みましょう。
 
 B領域は国家試験でいうところの公衆衛生・法医学といったところでしょうか。先輩方が「公衆衛生はヤバい!」と言いながら苦しんでいる姿を見たことがある人は少なくないのではないでしょうか?B領域も国家試験の公衆衛生と同様になかなかのウェイトがあって大変です。
 全領域合わせて95%くらいの正答率を望むのであれば力を入れて取り組みましょう。
 全領域合わせて90%くらいの正答率で良いのであれば、解いた問題から周辺知識へと幅を広げていくその範囲を欲張らないようにして、その分を他の領域の勉強に回しましょう。

 

 C領域はいわゆる基礎医学にあたる分野であり、CBTを極めんとする者にとって、最大の障壁となりがちです。基礎医学では、専門用語のオンパレードであり、ある単語を理解しようとすると別の知らない事柄が出てきてしまうなど、「もう嫌だっ!」と発狂したくなるものです。理解しようにもイメージはつきにくい上に、教科書を読み進めて行っても「詳細はまだわかっていない」と記されていて、「だったら詳細が判明するまで出題するなよっ!」と叫びたくなります。大人しく暗記しようにも量は多く内容も煩雑で、正直つまんない…
 C領域の対策は非常に根気のいるものです。正答率95%以上を達成したいんだという気持ちを強く持ちましょう(根性論です)。
 少しでも前向きな気持ちで取り組むために、私はショッピングモールや遊園地のマップを作るような感じで勉強しました。
 これらのマップには、まず施設全体の構造が大きく記されていて、エリア名や、店名 / アトラクション名がそれぞれの配置場所に書き加えられています。また、各店舗の詳細がさらに示されていたり、アトラクションがカテゴリー別にまとめられていたりすることもあります。
 これを、例えば細胞生物学に応用します。一つの細胞の絵を大きく描き、その中に細胞小器官を書き入れます。あとは、ミトコンドリア➡︎マトリックス、クリステ➡︎電子伝達系➡︎シトクロムc…といった感じで勉強したことをどんどん書き加えていきます。
 勉強に対してつまらない、しんどい、覚えられないといったネガティブな感情を持てば持つほど勉強の成果は得られません(完全な持論ですが)。勉強には、いかに自分を騙し騙しやっていくかということも時に必要となるのです。私は図や表にまとめたり絵に描いて覚えたりするのが好きなので上記のような方法でよく勉強していましたが、みなさんも自分の好みに合わせた独自の勉強方法を編み出してみるのも良いでしょう。C領域の問題は一問一答形式でクイズにしやすいと思うので、友達同士で問題を出し合うことで楽しみながら学習するのも一つの手でしょう。

 

 D・E領域は病気に関する分野であり、イメージもしやすく、これぞ医者って感じがして勉強も捗りやすいのではないでしょうか?その証拠に、平均正答率が高くあまり差のつかない分野となっています。year noteや病気が見えるシリーズ、動画講義、何でも良いので自分にあった教材を使って、真摯に向き合えば必ず結果は出るでしょう。

 

 F領域は、基本的な診療知識・技能と症候・病態からのアプローチに関する問題が該当します。文字通り、臨床の現場で実際に行われていることからの出題です。
 CBT問題集の問題や解説を見返してみると、臨床実習未経験の学生に問うのは少々酷では?と思ってしまうような問題があったり、その症状からそのような疾患を疑うのは無理があるのでは?と首を傾げてしまう解説があったりと、厄介な領域です…当時の私には、この粗ともいえる点にどうも納得がいかず、本番も出題者の意図と折り合いがつかず、結果として最も足を引っ張っていました。

 これは単なる言い訳ですが、どうかみなさんは問題に変に突っかかることなく、くれぐれも素直な気持ちで臨むようにしてくださいね!

 

 各領域をどのように勉強したら良いかは、

上記の「私が実践している試験に向けた勉強法」をベースにすれば良いと思います。

また、私が過去の記事でお話しした「医学部での勉強法」も参考になると思います。

 

med-hayasaka.hatenablog.com

 

 

・続きは「note」へ!

アンケートで頂いた貴重の意見を大切にするべく、

「とりあえず合格する方法」、「問題集を周回する方法」、

「間違えた問題の勉強法」についてのまとめ記事も作成しました。

これらは「note」の方で公開しております。

こちらにリンクを添付しておきますので気になる方はご覧ください。

note.com

 

 「CBT9割超え、模試成績上位者の現役医学生が教える」なんて偉そうなこと言ってる割に大したこと書いてないじゃないかと思われる方もいらっしゃるかと思います。ですが、勉強法に正解はないのですから、あくまでも、筆者であるこの私はこういう方法で上手くいきましたよ、ということを紹介しているのにすぎないということをご理解いただけると幸いです。

 

 もし、分かりにくい点やもっと知りたい点があったり、私に質問したいこと相談したいことがあったりしましたら、当ブログのコメント欄やTwitterにでも、気軽にメッセージを送っていただければと思います。頑張るすべての医学生の味方でいるつもりです。可能な限りで対応させていただきます。

   それでは失礼いたします。

twitter.com

 

#09 ちょっと一息入れたいな

Take a break

こんにちは、スミシー医ハーサカです。

この記事で、9つ目となりました。

ブログを開始してからここまで毎日何かしらの記事をあげることができています。

医学部の選び方やCBTの勉強法など、

医学生ブロガーとしては”おいしいネタ”をすでにいくつも消化してしまい、

次の記事のネタ探しが記事数二桁突入を目前に、すでにしんどいと感じ始めています…

 

さて、みなさんはしんどい時、苦しい時、それをどうやって乗り越えてきましたか?

まるで面接試験のような質問ですね笑

このコロナ禍の中で大学生となった人たちは、

入学当初よりキャンパスライフにさまざまな制限がかけられているせいで、

学生時代に力を入れたこと、いわゆる”ガクチカ”がない!

という問題に直面しているそうです…

 

COVID-19の流行は医学部にも大きな影響を与えました。

このウイルスはヒトからヒトへと感染していく訳ですから、

我々医学生は立派な媒介者となってしまう訳です。

長期にわたって臨床実習を休止にせざるを得なかった大学が結構ありました。

しかし、大学生ともなり行動範囲は以前とは比べ物にならないほどに広がり、

やりたいことも山のようにある(たぶん?)20代前半の若者たちが、

不要不急の外出を控えましょうと言われて家でおとなしくしていると思いますか?

食料品や日用品の買い出しくらいでしか外出しませんでした、

というお利口さんもいますけれども…(当然私もその一人←聞いてない)

成人したとはいえ、医師免許を持っているのと持っていないのでは信用度の差が

天と地ほどあるということをこのコロナ禍で改めて痛感させられました。

医師の方が繁華街で飲み歩いているじゃないか!

それなのに私たちの貴重な実習期間は自宅待機によって奪われていくのはおかしい!

(でも、ろくに見えないのに長時間も術野で立ちっぱなしなどの苦行が減ったのは

正直嬉しかったです、ごめんなさい。)

 

理想と現実、やりたいこととやってはいけないこと、

対立する物事の狭間に追いやられ、日々葛藤の連続でした。

こんな苦しい生活が、いつの間にか消え去りつつあります。マスクだけを残して。

あれだけ毎日うるさく報道されていた1日の感染者数ももはや誰も気にしていません。

不要不急の外出は控えろと言われていたのに、

今は全国旅行支援で観光業がきりきりまいのてんてこまい。

森友・加計・桜の会の問題が気づけば旧・統一教会の話にすり替わる。

ただでさえ生活は苦しいのにいろんなものが値上がりしていく一方。

こんな荒れ狂った状況下で正気を保っていられる方がおかしいのでは無いだろうか?

そんなことを考えながら今パソコンを目の前にカタカタとブログを書いている私も

きっとどこかおかしくなってしまっているのではないかと不安な気持ちでいます。

 

ですが、止まない雨はありません。

報われる日がいつか来ることを信じて、今はみんなで耐え忍びましょう…

 

 

今回はなんだが愚痴のような話になってしまい大変申し訳ありません。

冒頭に紹介したアンケートの結果が明らかになり次第、

みなさんに少しでも有益な情報をお伝えできるよう

頑張らせていただきたいと思いますので、それまでお待ちいただけると嬉しいです。

#08 三者三様 みんな違ってみんな良い「医学部の選び方」

So many men, so many minds.

こんにちは、スミシー医ハーサカです。

以前、『あなたの未来を変える「医学部の選び方」』とやや大袈裟なタイトルで、

進学すべき医学部の考え方についてご紹介しました。

そこでは、「過程が大事」、「一人暮らしのススメ」の2点を

医学部選びのポイントとして挙げさせていただきました。

この記事を見てくださった方の中には、

「こんなので未来が変わるか!」「思っていたのと違う…」

という感想を抱かれた方もいらっしゃると思います。

ですが、考え方や価値観は十人十色であり、

少なくとも私はこの2つのポイントにより人生は大きく変化したと感じています。

 

近年、LGBTQや夫婦別姓などのジェンダー問題、

晩婚化や生涯独身という生き方、働き方改革などに代表されるように、

あらゆるところで「多様性」が重視されるようになってきました。

医学部の選び方にも、この「多様性」があって然るべきだと、私は考えます。

 

医学部進学を考えたことのある方であれば知っているかもしれませんが、

医学部には「ブランド」あるいは「ヒエラルキー」というものが存在します。

基本的に、医学部は歴史が古いほど格が高く権力・勢力・発言力といった

あらゆる力が強いという傾向にあります。

旧帝大や旧六医大と呼ばれる医学部などがこれに該当します。

これらの大学は学閥と呼ばれる派閥を有しており、

大学の位置する周辺地域への強い影響力を有しています。

よって、少しでも力の強い大学を卒業することを目的として、

ブランドやヒエラルキーを重視した進学先選びをする考え方が存在します。

強い学閥に所属していれば、

複数の施設で合同研究を行う際の主要なポストに着くことができたり、

国とのパイプを得て全国規模の取り組みの中心となったりすることも可能でしょう。

学会の理事・理事長といった地位に就くことも夢ではないでしょう。

また、「俺は◯◯大学を卒業したんだぞっ!」というステータスを得られます。

さらには、特定の医学部を卒業した者でなければ研修医として採用されないという

研修病院もあり、そういった病院での研修を希望する人には重要なことでしょう。

 

このブランドやヒエラルキーで大学を選ぶ考え方は

至って自然であり何も間違ってはいないと思います。

教授になったり、学会の理事長に就任したり、大規模な臨床研修の長になったりと、

地位や権力を得るのも立派なライフプランの一つです。

「一流の医学部を卒業し一流の病院に勤務する」ということにプライドを持ち、

「自分は他の医師とは違うのさ」と思っている医師もゼロではありませんし、

彼らのように、それを原動力に研鑽を積んでいくのも悪くないでしょう。

 

しかし、医学部進学を目指す誰もがそうあるべきというわけでもありません。

1つ、面白い記事を見つけたのでその一部を引用・紹介させていただきます。

 

 

(以下のサイトから引用させていただきました。参考になると思います。)

detail.chiebukuro.yahoo.co.jp

 

要するに、医師としての働きやすさを重んじるのであれば、

働きたい地域の医学部に進むのが良いということでしょう。

そうすれば、出身大学の恩恵を強く受けることもできるでしょう。

具体的には、研修病院探し(マッチング活動)は

出身大学のある地域で行うのが楽だし有利だし、

学生時代の人間関係といったものをそのまま利用できるといった恩恵があります。

 

家庭や出産・育児のことを考えると実家のある地元の医学部に進学した方が良い

という方も当然いらっしゃると思いますし、

私が以前紹介したように、

一人暮らしをしなければならない場所にある医学部を選んだ方が良い

という考え方もあっても良いと思います。

 

 

ここまで、医学部の選び方に関する「多様性」についてお話ししてきましたが、

結局のところはみなさん個人が何を重視して大学を選ぶかが肝心ということです。

私は、「人間的な成長という意味で大学生という時期は非常に貴重である」

という考えのもとで、「過程が大事」・「一人暮らしのススメ」を

みなさんに紹介したかったわけなのです。

もうすでに行きたい大学が決まっているんだという方も

一度でいいので他の観点から医学部を選んでみてください!

何か違うものが見えてくるかもしれませんよ?

 

もし、分かりにくい点やもっと知りたい点があったり、

私に質問したいこと相談したいことがあったりしましたら、

当ブログのコメント欄やTwitterにでも

気軽にメッセージを送っていただければと思います。

それでは失礼いたします。

twitter.com

 

#07 国試模試最上位ランカーの現役医学生が教える「医学部での勉強法」

Procrastination makes easy things hard, hard things harder.

こんにちは、スミシー医ハーサカです。

 

本記事のサブタイトル

Procrastination makes easy things hard, hard things harder.

数々の格言をこの世に生み出した、アメリカのMason Cooleyの言葉です。

「先延ばしにすれば簡単なことは難しくなり、難しいことはより困難になる。」

という意味なのですが、心に突き刺さった方もいらっしゃるのではないでしょうか?

 

CBTや卒業試験、国家試験と合格しなければならない試験を目の前にして、

もっと早く勉強していればよかったと後悔している方…

やらないといけないと分かっていても実行に移せない方…

そうなんです、医学部の6年間は長いようであっという間。

「あとでやろうはバカやろう」とならないためにも勉強は計画的に!

 

というわけで今回は、

私が実践している過去問やクエスチョン・バンク(QB)を使った

勉強法について解説していきたいと思います。

(※学を深めるための勉強ではなく、あくまで試験に受かるための勉強について

取り扱いますのでこの点ご了承ください。)

 

それでは参りましょう!

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私は友人に勉強を教える際に、

「その問題だけ解けるようになっても意味はない」と何度も言い聞かせています。

もちろん、CBTのように例外もありますが、

解いた問題で問われた内容についてだけ学習しても仕方がありません。

その問題をきっかけに、その分野や疾患・病態など

関連事項についてまで手を伸ばして学習するのが正解です。

 

さて、過去問やQBには、勉強のステージに応じた使い方というのがあります。

 

「Stage1:試験という相手をまず知る段階」の場合

計画的な学習を行えている方であれば、Stage1から始めることをおすすめします。

「彼を知り己を知れば百戦殆うからず」という孫子の言葉にもあるように、

どのような問題が試験に出題されているのかを把握するのは重要です。

最新の過去問だけでも十分ですのでとりあえず一通り解いてみます。

どんな試験かを確かめるだけで良いのであまり真剣に取り掛かる必要はありません。

このStage1では合格するのに必要な勉強時間を予測したり教材を用意したりします

バイトや部活で忙しい時、試験が集中している時期にはこの準備が役に立ちます。

勉強時間の目安ですが、試験の難易度や個人の得手不得手、

時間的余裕などに左右されるので一概には言えませんが、

調べ学習や苦手克服に時間を多く取られるため、

この要素が強い科目には多めの勉強時間を割くようにしましょう。

また、過去問の類問・同問が多く出題されるような科目は

他の科目に勉強時間を回した方が良いでしょう。

 

「Stage2:現時点での己の実力を知る段階」の場合

さて、ここから徐々に本腰を入れて取り掛かっていきます。

模試を受けるつもりで一通り解いてみましょう。

今回把握すべき点は大きく2点あります。

1点目は、「苦手な分野・疾患・病態」です。

これを克服するには時間がかかります。

勉強リストにでもチェックしておきましょう。

また、数学を勉強していた頃のように、

間違えてしまった理由が見直した際にすぐわかるようにしておくと良いでしょう。

そうすれば、生理学なのか解剖学なのか、疾患への理解が足りなかっただけなのか、

どこから復習すればいいのかが分かりやすくなります。

2点目は「よく出題される分野・疾患・病態」です。

出題頻度が高くなる理由はいくつかあります。

1つはメジャーな疾患だから、2つ目は問題を作りやすいから、

そして3つ目は先生の専門分野だから。

少なくともこれらに該当するものは他よりも対策を要することになるでしょう。

隅の方の知識まで聞かれることもあるだろうし、

教科書にはまだ載っていない最新の知見まで聞かれることもあるでしょう。

基本内容しっかりをおさえつつ、余裕がある時に調べ学習を行いましょう。

 

「Stage3:調べ学習と弱点克服の段階」の場合

ここでは、Stage2で把握した2点を中心とした学習を行います。

教科書、レジュメなどなど自分の好みに合ったものを参考にするので結構です。

 

学習方法が、個人の特性に応じたやり方であればなお効率的です。

 

まず、勉強道具にこだわりましょう。

近年の医学部の勉強法はデジタル化が進んでおり、

私の学年ではiPadなどのタブレット端末を利用している学生がほとんどです。

電子機器を用いた勉強法のメリットは「手間が省ける・かさばらない」です。

教科書も電子版にすれば、調べたいことが載っているページをすぐ見つけられる上に、

教科書の図表を自分のオリジナルノートに簡単にコピペすることができます。

過去問も紙に印刷せずともPDFに直接書き込むような形で利用できるため、

タブレット1つだけで勉強することができます。

ただし、デメリットもあります。

いつでもYouTubeなどの娯楽に逃げてしまえること、目が疲れやすくなること

Wi-Fiやコンセントがない環境だと不便などなど。

人によっては、紙の教科書やノートじゃないといまいち頭に入ってこないことも…

 

次に、ノートテイキングについてです。

私はまとめノートを作って勉強するスタイルの持ち主です。

ノートにまとめることが理解を手助けしてくれていると感じているからです。

しかし、ノートを作るのには多くの時間と労力がかかるので、

勉強にそんな手間隙かけてられるかー!という人には不向きでしょう。

また、ノートを仕上げることが目的となってしまうような人にもお勧めできません。

ノートを一切取らず、教材への書き込みや暗記のみで乗り切る人もいるでしょう。

予備校の動画講義についてくる教材などであれば、

それはほぼ完成しているわけですから、

あとは自分好みにカスタマイズすれば良いわけで、

大金と引き換えに手間隙を省くことができます。

 

自分の力で苦心して得たものにこそ真の価値があると考える私は

この方法をとっていませんし取らなかったことを後悔もしていません。

大事なのは自分を信じてあげることです。努力は裏切りません!

 

「Stage4:仕上げの段階」の場合

ここまでくればあとは繰り返し問題を解いて、知識を定着させるのみです。

間違えてしまったり、まだ理解が足りてないなと思ったりすれば、

その都度Stage2と3を行っていきましょう。

定着度に応じて反復する回数を科目ごとに変えていくことで、

やりすぎたりやらなさすぎたりすることのないように調整しましょう。

友人と問題を出し合うのも良いでしょう。

試験直前に友人と話したことが試験によく出るというあの現象に、

何か名称ついてないですかね?笑

 

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以上で説明は終わりです。

この勉強法をちゃんと実行できればどんな試験であっても余裕で合格できるはずです。

周囲と差をつけたいのであれば、Stage2・3に費やす時間を増やしましょう。

必要最低限の勉強にどれだけ+αの勉強を積めるかが

抜きん出た成績を収めるために必要なことです。

自分の目指すレベルに応じた勉強量を確保することで

充実した医学生生活を送りましょう!

 

もし、分かりにくい点やもっと知りたい点があったり、

私に質問したいこと相談したいことがあったりしましたら、

当ブログのコメント欄やTwitterにでも

気軽にメッセージを送っていただければと思います。

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#06 CBT9割超えの現役医学生が教える「CBT勉強法」

Computer Based Testing

こんにちは、スミシー医ハーサカです。

今回は、医学生なら誰もが通らなければならないCBTについてお話しします。

 

CBT合格は臨床実習に進むために必須ですので心して臨まなければなりません。

とはいえ、ぶっちゃけた話、普通に医学生していれば落ちることはまずありません。

医学部の6年間を無難に過ごすにはみんなと同じことをすることが王道です。

そのため、CBTに合格以上のものを求めないのであれば、

周囲がQB CBTを解き始めた時に自分も開始し、数回周回すればそれで十分です。

 

では今回、なぜCBTの勉強法について記事を書こうかと思ったのか?

それは、CBTの、臨床実習の参加資格を得ること以外に大切なことを

みなさんに知っておいてほしいからです。

 

1つ目:マッチング

「医学部に入れば就職活動をしなくてもいい!」

と思っている方もゼロではないかと思います。

しかし、医学生は初期研修を行う病院を決めるために、

”マッチング”と呼ばれる医学生版就活を自ら行わなければなりません。

マッチングとは、研修病院と学生とがそれぞれに採用したい学生、

研修したい病院を選択・順位づけする方法が採られています。

病院側は学生を選ぶ際にCBTの成績を考慮することがあります。

例えば、研修を希望する学生が多い都市部などの病院では

CBTの成績で足切りを行うところもあるそうです。

よって、人気の病院で初期研修を行いたいと考えている方は、

本気でCBT対策に取り組んだ方が良いでしょう。

(マッチングについては今後詳しく取り上げたいと思います。)

 

2つ目:CBTの先を見据えた勉強のススメ

先ほど言ったように、

CBTに合格するだけであればQB CBTを数回周回しながら

全体像をつかみ臨床医学の分野を中心的に学習していけばなんとかなります。

ただ、CBTを合格すれば良いものとして片付けてしまうのは勿体無いです。

「医学部に合格するにはいつから勉強し始めれば良いですか?」

と医学部受験を目指す高校生が質問しているのをよく見かけます。

受験勉強のようにゴールの存在する勉強に関して、

勉強をいつ始めれば良いのか?という疑問を持たれる方が多いと思いますが、

医学部での勉強において、CBTはその良いきっかけになると考えます。

CBTもOSCEも卒業試験も国家試験も直前に猛勉強すれば

合格できることはこれまで多くの先輩方が証明してくれています。

ですが、試験を突破するためだけの勉強でいいのでしょうか?

「知識は身を助け、無知は身を滅ぼす」

医師の仕事はまさにこの言葉を体現していると思います。

付け焼き刃的に得たことは知識とは言えません。

コツコツと努力を積み上げいくことで初めて自分の血となり肉となるのです。

CBTは勉強習慣を身につける好機です。

 

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それでは私が実践している勉強法を簡単に紹介します。

 

①生理学や解剖学といった基礎医学をベースとした疾患や病態の理解に努めます。

 

②その理解の上に、それぞれに特徴的な症状や検査所見、治療法、合併症…

 といった試験で問われやすい知識を上乗せしていきましょう。

 

③そして時間に余裕がある時にガイドラインや論文などの文献を利用することで

 これらの知識を補完していきます。

 

④一緒に勉強する仲間を作りましょう。

 そして、彼らに教えることで知識をさらに定着させます。

 また、彼らから教わることも多いのでグループ学習はおすすめです。

 

こうした勉強習慣を臨床実習前に習得しておくことはその後の強みになります。

臨床実習ではレポート作成やカンファレンス・教授回診などでのプレゼン、

といった様々な課題を与えられると思いますが、

苦になるどころか楽しさすら感じられるはずです。

「これが私のなりたかった医師というものか!」という実感すら得られると思います。

 

QB CBTを周回していくうちに、苦手分野や理解の不足している点、

疑問に思う点が分かってくると思います。

まずはこれらの点を放って置かないで、

自分が納得いくまで教科書や文献を利用して調べてみることから始めてみましょう。

 

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#05 現役医学生の教える「医学部受験対策 -面接編-」

Interview

みなさんこんにちは、スミシー医ハーサカです。

 

私の3番目の記事では「医学部の選び方」について書かせていただきましたが、

今回は医学部の入試、その中でも面接に絞って、私見を述べさせていただきます。

 

はじめに、反面教師となるべく、私の失敗談をお話しします。

どんな面接試験にもよくされる質問というのがあります。

医学部の場合では、その大学を志望した動機や、

医師になりたいと思ったきっかけ、理想の医師像などが該当します。

私が受験した時にも「本校を志望した動機は?」、「医師を志した理由は?」と

聞かれたことは今でもよく覚えています…

なぜなら、これらの質問への回答で失敗したと強く感じたからです。

面接対策をしっかり行っている方からすれば当時の私はとても愚かだったと思います。

では、どんな失敗をしてしまったのかご紹介しましょう。

 

試験官「医師を志した理由について教えてください。」

私「はい。私が医師になりたいと思ったきっかけは祖父の病気です。

  〜(中略)〜

  病気とは生命の尊厳を損ねるものです。だから、医師となって、

  病気を治すことで患者さんの生命の尊厳を守りたいと思っています。

  〜(後略)〜」

試験官「ありがとうございます。」※追加質問とかはなし

   「では、本校を選んだ理由について教えてください。」

私「はい。(受験した医学部の基本理念)に感銘を受けたからです。

  (以下略)。」

試験官「はい。分かりました。」※ここでも特に質問されず

 

私の面接はこのような感じで進んでいきましたが、

何がダメだったか、なんとなくお分かりいただけるのではないでしょうか?

それではダメダメなポイントについて説明していきます。

 

ポイント①:カッコつけたり背伸びしたりする必要は全くない!

医師を目指した理由や理想の医師像などについて聞かれた際に、

「生命の尊厳が〜」のような言葉は不要です。

変に難しいことを述べて、いわゆる”意識高い系”を装うのは逆効果です。

試験官は医療界でキャリアを十分積んできた

大ベテランであることがほとんどなのですから、

社会に出たことすらない者がそんなことを語ったところで相手にされません。

試験官は受験生の”素”が見たいのです。

だから私の場合は、「祖父のように病気で苦しむ人々の力に

なりたいと思ったからです。」とシンプルに答えればよかったのです。

あとはこれに少し肉付けをして話せば良いだけです。

生命の尊厳なんてパワーワードは入りません。

ありのままで自然なコミュニケーションを取れる人が合格することができます。

 

ただし、「自己PRをしてください」のようなお題の場合には、

自分のことを少々盛って話すことも必要になります。

この場合では、自分の本当のレベルよりも少し高いレベルの体で話すと良いでしょう。

あなたがピカチュウLv. 20であれば、ピカチュウLv. 40のつもりでいきましょう。

理想の自分がポッチャマLv. 40だったとしてもポッチャマになりきるのはダメ。

水タイプのワザ使えないくせに「"なみのり"使えます!」は見抜かれます。

まだ”でんきショック”しか使えないけど「”10まんボルト”できます!」はOKかな笑

私の友人は平社員ならぬ平部員だったのにキャプテンだった体で面接に臨み

良い結果を得ていたので一概には言えないですが、

自分の演技力?にあったレベルで話を盛りましょう。

 

ポイント②:自分の言葉で語ろう!

試験を受ける大学について、ホームページやパンフレットを利用して

面接に使えるネタを探すのは大切な作業だと思います。

しかし、そのネタをそのまま面接で話すのはご法度です。

面接官をよく担当する教授と面接試験についてお話しさせていただいた際、

「医学部の教育理念をそのまま志望動機にしてくる学生はその時点で落とす」

とおっしゃられていたことをよく覚えています(私もその一人だわ…)。

すべての試験官がそうしている訳ではない(私が証拠)のですが、

そういうこともあるのだと注意してかかるべきではあるでしょう。

もし、教育理念といったものをネタに含めたいのであれば、

私のように第一声で使うのは避けましょう。

「私にとっての理想の医師像は△△であり、これを実現させるには

 〇〇を教育理念に掲げる貴校が最もふさわしいと考えたからです。」

といった感じの骨組みにしておいて、

あとからオープンキャンパスなどで得た、

受験校へのあなたなりのイメージや考えを付け加えることで、

この学校じゃなきゃダメなんだ!という思いをアピールしましょう

もし、「別に他の大学さんでも良いのではないですか?」

と試験官に言われてしまったら、私ならその場で卒倒する自信があります。

そう言われないようにするためにも、あなたの想いが十分伝わるように

あなた自身の言葉で話すようにしましょう(なんだか愛の告白みたい…)。

 

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今回はポイントを2つ挙げて、医学部の面接試験についてお話ししました。

もし、分かりにくい点やもっと知りたい点があったり、

私に質問したいこと相談したいことがあったりしましたら、

当ブログのコメント欄やTwitter

気軽にメッセージを送っていただければと思います。

それでは失礼いたします。

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